日米比首脳会談 来月開催を発表 安全保障面の連携強化へ

アメリカ政府は、来月、岸田総理大臣のアメリカ訪問に合わせてフィリピンのマルコス大統領も招いてアメリカ、日本、フィリピンの3か国での初めての首脳会談を行うと発表しました。海洋進出を加速させる中国を念頭に、安全保障面の連携を強化するねらいがあるとみられます。

岸田総理大臣は来月、国賓待遇でアメリカの首都ワシントンを公式訪問し、来月10日にホワイトハウスでバイデン大統領と日米首脳会談を行うほか、11日には議会上下両院の合同会議で演説を行う予定です。

これに関連してホワイトハウスは声明を出し、11日には、フィリピンのマルコス大統領も招いて、3か国での初めての首脳会談を行うと今月18日、発表しました。

会談ではアメリカが日本とフィリピンのそれぞれ2国間でつくる同盟関係を改めて確認するとともに、インド太平洋地域や世界における平和と安全保障を促進するための3か国の協力について意見を交わすとしています。

南シナ海ではフィリピンが軍事拠点を置くセカンド・トーマス礁をめぐり、中国がフィリピン船の活動を妨害するなど対立が深まっています。

バイデン政権としては中国を念頭に安全保障面での3か国の連携を強化し、この地域での抑止力を高めようというねらいがあるとみられます。

林官房長官「日米比の連携を一層強化」

林官房長官は閣議のあとの記者会見で「フィリピンは、わが国と同様にアメリカの同盟国であり、日本と隣接する海洋国家として、自由で開かれたインド太平洋を実現していく上で重要なパートナーだ。日米同盟を基軸として、フィリピンなどの同志国と幅広い分野で協力を深化することが、地域の平和と繁栄を維持する上で不可欠だ」と述べました。

その上で「国際社会が歴史的な転換点を迎える中、法の支配に基づく、自由で開かれた国際秩序を維持・強化すべく、日米比3か国の連携を一層強化していく」と述べました。