イスラエル首相 ラファへの地上作戦承認 国連は状況悪化を懸念

イスラエルのネタニヤフ首相が避難者など150万人近くが住むガザ地区南部のラファへの地上作戦の計画を承認する中、国連は、作戦が実行されれば、人道状況はさらに悪化すると懸念を示しました。

イスラエル首相府はネタニヤフ首相が避難者など150万人近くが住むガザ地区南部のラファへの地上作戦の計画を承認したことを明らかにしました。

戦闘の休止と人質の解放に向けた交渉が続けられる中、ハマスへの圧力を強めています。

この計画について、アメリカのブリンケン国務長官は15日、イスラエル側からまだ示されてないとしたうえで、民間人の保護なしに作戦を進めるべきではないとする考えを改めて強調しました。

また、国連のデュジャリック報道官は「ガザやパレスチナの人々にとって壊滅的な結果になる」と述べ、人道状況はさらに悪化すると懸念を示しました。

こうした中、EU=ヨーロッパ連合などが深刻な食料不足に陥っているガザ地区の住民を支援するため計画を進めてきた食料を運ぶ船が15日、ガザ地区の沿岸に到着しました。

食料の輸送などを担ったアメリカのNGO「ワールド・セントラル・キッチン」によると、およそ200トンの米や小麦などが住民に届けられる予定です。

すでに第2便も準備を始めていて、今後、海上輸送で危機的な人道状況の改善につなげられるかが焦点です。