中国海警局の船 台湾の離島 金門島の「禁止水域」に初めて進入

中国海警局の船が、台湾の離島、金門島の沿岸に台湾当局が設定している「禁止水域」に15日初めて進入しました。中国海警局は「禁止水域」での航行を続ける構えを示していて、台湾の民進党政権への圧力を強める姿勢を一層鮮明にしています。

中国海警局は15日、台湾の離島、金門島付近の海域を「法律に基づいてパトロールした」と発表し、航路を赤い線で示した資料をホームページに掲載しました。

台湾の中央通信によりますと、この航路は台湾当局が金門島の沿岸に設定し、中国の船が許可なく進入するのを禁じる「禁止水域」や「制限水域」の内側を通っているということです。

「禁止水域」をめぐっては中国で海上の監視活動を行う「中国海監」の船が航行したことが先月確認されていましたが、軍の指揮下で沿岸警備などを行う中国海警局の船が「禁止水域」に進入したのは15日が初めてだと台湾のメディアは伝えています。

金門島沿岸では先月14日、台湾当局の取り締まり中に中国の漁船が転覆して乗組員のうち2人が死亡し、中国側は台湾当局に謝罪や責任の追及を要求し続けています。

中国海警局は「引き続き法律を執行するパトロールを強化する」と発表し、「禁止水域」での航行を続ける構えを示していて、台湾の民進党政権への圧力を強める姿勢を一層鮮明にしています。