はしか感染者の “行動歴” なぜ公表?公表する基準は?

はしかの感染者が東京や大阪をはじめ全国で相次ぐ中、各自治体は感染者の行動歴を公表しています。

なぜ公表するのか?その基準は?
そして、公表された場所に居合わせたらどうすればいいのでしょうか?

はしか感染者の公表は

はしかは「麻疹(ましん)」とも呼ばれる、ウイルスによる感染症で、感染力が極めて強く、飛まつや接触による感染だけでなく、空気感染も起きることが知られていて、先月以降、各地ではしかの感染者の報告が相次いでいます。

感染が確認された自治体は、感染者が
▼何月何日の何時にどこにいたのか
▼何時にどこに向かう交通機関を使ったのか
▼利用した店や施設の名前
などを公表しています。

このうち大阪市保健所は、今月12日に感染が確認された男性が、3月6日の午後3時ごろに大阪市内のカフェを利用したことなどを公表しました。

一方、SNSでは同じ日に大阪市で開かれたイベントの参加者が、チケットを販売した会社から参加者の中にはしか患者がいたことを知らせるメールを受け取ったなどという投稿が見受けられますが、大阪市からはこのイベントについての情報は公表されていません。

これについて大阪市は「公表事項ではないので、感染者が会場にいたかも含めて答えられない」とした上で、接触者が特定できる場合は非公表とする基準について説明しました。

具体的には、
▼飲食店を利用していても、周囲が友人のみで、連絡を取ることが可能な場合や
▼チケットを購入する際などに、電話番号やメールアドレスなどを登録させていて、接触者へ連絡できるイベント
などについては公表していないということです。

国立感染症研究所のガイドラインでは、空間を共有した不特定多数の接触者を検出するために患者の行動経路や時間をメディアで公表し、保健所などへの連絡を促すような方法は発生状況のリスク評価に基づいて検討すべきとしています。

同じ場所に居合わせたら

はしか感染者の行動歴などを元に、同じ場所に居合わせた可能性がある場合はどうすればいいのでしょうか。

厚生労働省によりますと、まずは住んでいる自治体を管轄する保健所に相談してほしいということです。

はしかは法律上新型コロナと同じ「5類」に該当し、外出の自粛などを求める規定はありませんが、接触した可能性や接触時間、ワクチン接種の有無などを総合的に判断し、外出自粛の必要性について相談できるということです。

国立感染症研究所によりますと、はしかの潜伏期間は10日から12日間で、発症の1日前から周りに感染させる可能性が特に高いとしています。

厚生労働省は「感染した人と同じ場所に居合わせた可能性がある人は各保健所のアドバイスを元に適切に判断してほしい」と話しています。

症状が出たら 検査は

はしかの主な症状は発熱やせき、発疹や目の充血などです。

こうした症状が出た場合には、医療機関に電話などで問い合わせた上で、検査を行います。

はしかは感染力が非常に強いため、厚生労働省は医療機関を受診する際には公共交通機関の利用は可能な限り避けるよう呼びかけています。

検査は▼血液▼咽頭ぬぐい▼尿の3つが推奨されていて、各地方の衛生研究所などでPCR検査などが行われ、診断されます。

はしかには特効薬がないため、症状に応じた治療が行われます。