バイデン大統領“金利下がるに違いない”発言に波紋広がる

アメリカのバイデン大統領は中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会が決定する金利の水準について、「金利はもっと下がるに違いない」と発言しました。中央銀行は独立性が重んじられる組織で、ことし秋の大統領選挙を前にした発言に波紋が広がっています。

バイデン大統領は8日、東部ペンシルベニア州で演説し、FRBについて「金利を決定する小さな機関」としたうえで、「保証はできないが、金利はもっと下がるに違いない」と発言しました。

アメリカではインフレに伴う住宅の建設コストの上昇に加え、FRBの利上げによって住宅ローン金利も高くなり、住居費の上昇が課題となっています。

バイデン大統領はこの日の演説で、住宅コストの引き下げに取り組む姿勢を強調しました。

FRBのパウエル議長は7日、議会上院の委員会で、「物価上昇率が持続的に2%になると確信できるまで遠くない」と発言していて、金融市場ではインフレの鈍化傾向を踏まえ年内の遅くない時期に利下げが行われるという観測が広がっています。

FRBに対しては、与党・民主党の一部の議員からも住宅ローン金利の引き下げに向けて早期の利下げを求める声が上がっていて、ことし秋の大統領選挙を前に、政治からの独立性が重んじられるFRBをめぐるバイデン大統領の発言に波紋が広がっています。