スウェーデン NATO正式加盟 ウクライナ侵攻受け32か国体制へ

北欧のスウェーデンはNATO=北大西洋条約機構への加盟手続きをすべて終え、7日、正式に加盟しました。世界最大の軍事同盟であるNATOはロシアによるウクライナへの侵攻を受けて、32か国の体制へと拡大しました。

スウェーデンのクリステション首相は7日、ワシントンのアメリカ国務省を訪れて、NATOへの加盟に関わる文書をブリンケン国務長官に手渡し、これによってスウェーデンは正式にNATOの32番目の加盟国となりました。

クリステション首相は「欧米にとって安全保障をめぐる環境は第2次世界大戦以降、これほど深刻になったことはない。ロシアはわれわれの安全保障にとって深刻な脅威だ。アメリカやほかのNATO加盟国とともに、世界をより安全で自由にするために貢献したい」と述べました。

また、ブリンケン国務長官は「スウェーデンにとって歴史的な瞬間だ。これによって侵略に対する防御を強化し、人々を守ることができる」と述べました。

ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、スウェーデンは隣国のフィンランドとともに、長年にわたる軍事的中立の方針を転換し、おととし5月、NATOへの加盟を申請しました。

スウェーデンの加盟によって、NATOがロシアと対じする上で戦略上重視してきたバルト海が加盟国で囲まれることになり、NATOの強化につながるとみられています。

NATOは今月11日にベルギーの本部で式典を行い、スウェーデンの国旗を掲揚する予定です。

去年4月にNATO加盟のフィンランド首相「安全保障強化」

去年4月にNATOに加盟したフィンランドのオルポ首相はSNSに動画を投稿し、「スウェーデンを新たな同盟国としてNATOに歓迎できることを嬉しく思う。フィンランドにとってスウェーデンは安全保障と防衛政策における最も緊密なパートナーだ。両国のNATO加盟によって、バルト海や北欧、NATO全体の安全保障が強化されるだろう」と述べました。

バイデン大統領「安全保障 かつてなく強固に」

アメリカのバイデン大統領は声明を発表し、「スウェーデンがNATOに加盟したことで、大西洋をまたいだ安全保障はかつてなく強固になった」と歓迎しました。

そして、「プーチン大統領はウクライナに残忍な侵略を始めた時、ヨーロッパを弱体化させ、NATOを分断できると考えた。しかし、NATOはこれまで以上に結束し、決意を固め活動的になっている。自由と民主主義のために何世代にもわたって存続し続ける」と強調しました。