時速160キロ超の車の事故で死亡 遺族“危険運転致死罪適用を”

去年、宇都宮市で、時速160キロを超える速度の車にはねられて死亡した男性の遺族などが7日、都内で記者会見しました。猛スピードで事故を起こしたドライバーに刑の重い危険運転致死の罪を適用してほしいとして、検察トップの検事総長にあてて要望書を出したということです。

記者会見したのは、猛スピードの運転による事故に巻き込まれ家族を亡くした遺族などでつくる「高速暴走・危険運転被害者の会」で、去年2月に宇都宮市で起きた事故について7日、検事総長あてに要望書を送付したということです。

この事故では、オートバイに乗っていた佐々木一匡さん(当時63)が法定速度を大幅に上回る時速160キロを超える速度の車に追突され、死亡しました。

車のドライバーは過失運転致死の罪で起訴されましたが、被害者の会は、より刑の重い危険運転致死の罪に問うべきだとして、検察に起訴の内容を変更するよう求めています。

危険運転の罪の対象には「制御困難な高速度での走行」も含まれますが、亡くなった佐々木さんの妻で会の共同代表を務める多恵子さんによりますと、検察から「追突するまでまっすぐ走行し、運転を制御できていたので危険運転にはあたらない」と説明されたということです。

会見で多恵子さんは「時速160キロは危険だという私の感覚と市民感覚にずれはないと思うが、なぜ検察には分かってもらえないのか」と訴えました。

また、会の共同代表で、大分市で起きた時速194キロの車による事故で弟を亡くした長文恵さんは「まずは危険運転の罪で裁判の土俵にあげてもらい、裁判所に判断してほしい」と話していました。

危険運転の罪をめぐって法務省は、弁護士や被害者遺族などが参加する検討会を設置し、法律の見直しが必要か議論を進めています。