野球 日本代表 ヨーロッパ代表との強化試合で勝利

野球の日本代表は6日夜、ことし11月の国際大会に向けたヨーロッパ代表との強化試合を行い、5対0で勝ちました。

野球の日本代表は、ことし11月に行われる国際大会「プレミア12」に向けた強化の一環として、大阪市の京セラドーム大阪で強化試合を行い、井端弘和監督はトップチームを率いての初めての試合となりました。

対戦したヨーロッパ代表には、去年のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックで日本代表と対戦したイタリアやチェコの選手などが選ばれています。

日本は1回、1アウト二塁三塁から4番に入ったヤクルトの村上宗隆選手がライトへタイムリーヒットを打つなど2点を先制しました。

5回には1アウト一塁二塁から3番のソフトバンク、近藤健介選手がライトへのタイムリーツーベースを打って2点を加えました。

今回の代表メンバーには育成を重視する井端監督の意向もあり大学生が4人選ばれていて、6回には途中出場の青山学院大の西川史礁選手が2アウト一塁二塁のチャンスでレフト線へタイムリーツーベースを打ち、1点を追加しました。

投げては、2人目で登板したオリックスの宮城大弥投手が2回を投げて1人のランナーも出さない完璧なピッチングを見せたほか、初めて代表入りを果たした同じオリックスの山下舜平大投手も最速159キロのストレートを軸に2回を無失点に抑えるなど、6人の投手リレーで得点を許さず、5対0で日本代表が勝ちました。

一方、大学生で選ばれたメンバーのうち、ことし秋のドラフト会議の目玉として注目を集めている明治大の宗山塁選手について、チームは右の肩甲骨の骨折と診断されたと発表しました。宗山選手は代表の合流前に行われた明治大と社会人チームとの試合で背中付近にデッドボールを受けていたということです。

ヨーロッパ代表との強化試合は7日も行われます。

井端監督「青山学院大 西川は並の大学生ではない」

井端弘和監督は試合後の会見で「1回に先制できて、いい試合の進め方ができた。4番の村上選手が1点が欲しい場面できっちり仕事をしてくれた」と2点を先制した1回の攻撃で流れを引き寄せたと振り返りました。
また、途中出場でタイムリーツーベースを含む2打数2安打と結果を残した青山学院大の西川選手について「緊張もある中で、ファーストスイングから振れているし、それがファウルにならず前に飛ばすのが並の大学生ではないと思った」とたたえていました。
そして、最速159キロのストレートを中心に2回無失点だった山下投手の投球に対して「この時期に160キロ近く出ていたし、もっと上がってくるはずだ。11月のプレミア12、そしてその先のWBCも中心になり得る選手だと思っている」と期待を寄せていました。
一方で、右肩甲骨を骨折していたことが分かった明治大の宗山選手について「デッドボールで痛めていて、きのうの練習でも状態が上がってこなかったので病院にいった。メンバー変更も出来ないし少しでもいいものを吸収して欲しいと考えてチームに残ってもらうことにした」と話していました。

村上宗隆「日の丸を背負うことは特別なこと」

4番・指名打者で先発出場し、1回、1アウト二塁三塁の場面で先制のタイムリーを打った村上宗隆選手は「初回の入りが大事だと思っていた。追い込まれていたので犠牲フライを意識していたが先制のタイムリーになってよかった。日の丸を背負うことは特別なことで気持ちが引き締まるし、いい緊張感の中で試合ができた」と話していました。

青山学院大 西川史礁「これからの野球人生につながる」

5回に代走で出場し6回の最初の打席では初球をフルスイングしてタイムリーツーベースを打つなど2打数2安打1打点の活躍を見せた青山学院大の西川史礁選手は「初球からうまく打つことができた。気持ちよかった」と振り返りました。
また、大勢のファンが詰めかけた中でプロの選手たちとプレーしたことについては「今まで経験できなかったことができたのはこれからの野球人生につながる。ファンの皆さんが大声援をくださっていつも以上の力を出すことができた」と話していました。
そのうえで、「あすも出番を頂けたら精一杯頑張りたい」と意気込みました。

山下舜平大「球速 もっともっと出ると思う」

代表初選出で、2回を投げてヒット1本、無失点と好投したオリックスの山下舜平大投手は「ボール自体は少しばらつきがあったが、0点に抑えられてよかった。楽しかった」と本拠地のマウンドでのピッチングを振り返りました。
シーズン開幕前のこの時期にストレートの球速が自己最速タイまであと1キロに迫る159キロをマークしたことについては「意外と球速が出たと思うが、もっともっと出ると思う。トレーニングを頑張りたい」と話していました。
そのうえで、11月の国際大会「プレミア12」への思いについては「もちろんプレーしたい気持ちはあるが、1年間結果を出したうえで選ばれるもの。シーズンに集中して、結果を出して大会で投げられたら」と話していました。