「トケマッチ」会社関連口座にレンタル料の入金など確認されず

高級腕時計の「シェアリングサービス」をうたい、多数の腕時計を預かっていた大阪の会社が突然解散を発表し、腕時計の一部が無断で売却されるなどしていた事件で、会社関連の口座には、腕時計を借りた人からのレンタル料の入金などがこれまで確認されておらず、事業の実態が説明と異なっていた疑いがあることが、捜査関係者への取材でわかりました。

この事件は、高級腕時計の持ち主と、借りて使いたい人の「シェアリング」を仲介する「トケマッチ」というサービスを運営していた大阪の会社が、ことし1月に突然、会社の解散を発表し、持ち主が預けていた多数の腕時計が返却されないままになっているものです。

警視庁は会社の代表を務めていた福原敬済容疑者(42)が、預かっていた高級腕時計の「ロレックス」を持ち主に無断で古物商に売却したとして、業務上横領の疑いで逮捕状を取り、指名手配しています。

トケマッチのサービスについて、会社は腕時計を借りた人が月額のレンタル料を支払い、持ち主は時計のランクに応じた預託料を受け取れる仕組みだと説明していました。

しかし、捜査関係者によりますと、会社関連の口座には腕時計を借りた人からのレンタル料の入金の記録がこれまで確認されていないなど、預かった時計を実際に貸し出していた形跡が見られず、最初から売却を目的に腕時計を集め、売却で得た金の一部を持ち主に回していた疑いもあるとみられるということです。

福原元代表は、会社の解散を発表した当日に中東のドバイに向けて出国していたことがわかっていて、警視庁は今後、元代表を国際手配して行方を捜査するとともに、会社の取り引きの詳しい実態を調べることにしています。