首相“キックバック 議員個人受領把握なく現時点 納税促さず”

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、岸田総理大臣は収支報告書に記載されていなかったキックバックなどの収入について、議員個人が受け取った例は把握できていないとして、現時点で納税を促す考えはないという認識を重ねて示しました。

6日の参議院予算委員会で岸田総理大臣は、政治資金収支報告書に記載されていなかったキックバックなどの収入の税務上の扱いについて、「政治資金が政治家の関係政治団体に帰属するのか、政治家個人に帰属するかで課税関係は異なる。政治団体が派閥から政治資金を受け取る行為は法人税法上の収益事業には該当せず、課税は生じない」と説明しました。

その上で、記載されていなかった収入について、関係議員に納税を促すよう求められたのに対し、「今回、政治資金パーティーに関連して、派閥から支出した資金を議員個人が受領した例は把握されていない。個人で受けている例を確認できていない以上、納税などを促すことは今は考えていない」と述べました。

また、岸田総理大臣は、去年、開催を予定し、延期した自身の政治資金パーティーについて、「総理大臣在任中は政治資金パーティーは行わないと明言した。これを受けてどのように整理するかは、相手のある話なので、今、検討を行っている」と述べました。

さらに、自民党の地方組織に関する収支報告書の不記載について対応を問われ、岸田総理大臣は「国民から疑念を持たれないよう、丁寧に対応したい。必要に応じて収支報告書の内容を精査し、適切に対応するよう求めた、去年の指示内容を改めて周知したい」と述べました。

このほか、自民党麻生派の井上 元万博担当大臣が代表を務める政治団体の2018年分の収支報告書について、派閥からの寄付が記載されていなかったと指摘されたのに対し、岸田総理大臣は「議員本人が『担当者が変わり、事務作業に慣れておらず、個人からの寄付として収支報告書に計上していたことがわかった。適切に対応する』と説明している」と述べました。

一方、鹿児島県屋久島沖での墜落事故を受けて、アメリカ軍が輸送機オスプレイの飛行を停止していることについて、岸田総理大臣は「飛行再開の予定については現時点では報告を受けていない。アメリカ側に納得できる情報の共有をお願いすることは当然だ」と述べました。