震災で娘亡くした女性が大学生と絵本制作 “防災教育に”

東日本大震災の発生からまもなく13年です。当時6歳の娘を亡くした語り部の女性が津波からいち早く逃げることの大切さを伝えるために仙台市の大学生とともに作った絵本が完成し、大学の図書館などに寄贈されました。

絵本作りに取り組んだのは、2011年3月11日に発生した東日本大震災で娘を亡くした石巻市に住む佐藤美香さんと、仙台白百合女子大学で幼児教育などを学ぶ学生6人などです。

佐藤さんの長女の愛梨ちゃん(当時6歳)は当時、幼稚園のバスに乗っていた時に津波と火災で亡くなりました。

佐藤さんは現在は語り部として震災の記憶や教訓を伝えていて、去年5月から絵本作りのために学生たちと構成などについて打ち合わせを重ねてきました。

完成した絵本は、海の近くに住む男の子が大きな地震が起きて戸惑っていると、2人の女の子が現れて高台まで連れて行ってくれるというストーリーで、津波からいち早く避難することの重要性を伝えています。

絵本は4日、大学の図書館などに寄贈され、挿絵を担当した大学4年生は「これからの世代につながる作品にしようと制作しました。園児や小学生など震災を知らない世代を中心に震災や防災を考えてもらうきっかけにしてほしいです」と話していました。

佐藤美香さんは「娘の同世代の学生に震災と向き合ってもらい、考えてもらうことができ、意味があったと思います。防災教育の一環として使ってもらいたいです」と話していました。