米 ガザ地区に初の食料投下 戦闘休止など交渉“3日からか”

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘が続く中東のガザ地区で食料不足が深刻化する中、アメリカ軍は、一連の衝突が始まって以来初めて、ガザ地区に空から食料を投下しました。こうした中、イスラエルとハマスの間の戦闘休止などをめぐる交渉について、ロイター通信は早ければ3日からエジプトで行われる見通しだと伝えました。

イスラエル軍がガザ地区の各地で激しい攻撃を続ける中、ガザ地区では食料不足が深刻化していて、アメリカ軍は2日、ヨルダン軍と共同でC130輸送機を使って食料を詰めた貨物をガザ地区の地中海沿いに投下したということです。

NHKガザ事務所のカメラマンが2日午後4時ごろガザ地区南部のラファで撮影した映像では、複数の大型の輸送機が海沿いの地域にパラシュートのついた人道支援物資とみられるものを投下していく様子が写っています。

こうした中、イスラエルとハマスの間の戦闘休止や人質の解放などをめぐる交渉について、ロイター通信は、エジプトの関係者の話として早ければ3日からエジプトのカイロで行われる見通しだと伝えました。

この交渉についてアメリカのバイデン政権の高官は2日、記者団に対し、「合意の枠組みは整っており、イスラエル側は多かれ少なかれそれを受け入れている」と述べたうえで、「きょうこの時点での責任はハマスの側にある」との認識を示し、合意に達するかどうかはハマス側の対応次第だという認識を示しました。

そのうえで、「ハマスが人質のうちの病人やけが人、お年寄り、女性を解放すれば、きょうにでも6週間の戦闘休止が始まる」と述べ、ラマダンが始まる前の合意を目指し、交渉が続いていると説明しました。

この高官は「期待を抱かせるようなことはしたくない」とも述べて、合意成立の見通しについては言及を避けました。