専門家“表層雪崩起きた可能性” 長野県と鳥取県で雪崩相次ぐ

長野県と鳥取県で雪崩が相次いだことについて、専門家は2月29日から降り続いた雪によって表面に近い層が崩れる「表層雪崩」が起きた可能性があると指摘しています。

防災科学技術研究所 雪氷防災研究センターの中村一樹センター長によりますと、北日本から中国地方にかけての日本海側の山地では、本州の南岸を通過した低気圧や冬型の気圧配置の影響で2月29日から3月2日にかけて雪が降り続き、積もった雪が崩れやすくなっていたとみられます。

また、風も強まったため、吹きだまりができ、さらに不安定になっていたおそれがあるということです。

そのうえで、長野県と鳥取県で相次いだ雪崩について、表面に近い層が崩れる「表層雪崩」が起きた可能性があると指摘しています。

「表層雪崩」は積もった雪の中から崩れるため、兆候を把握しづらいうえ、猛スピードで斜面を下るのが特徴で、時速200キロに達することもあるということです。

中村センター長は北日本から中国地方にかけての日本海側の山地は広い範囲で雪崩に注意が必要だとしたうえで、「日本海側は冬型の気圧配置の影響で、このあと数日は雪が降りやすい状況が続くとみられ、山に入る際は慎重に行動してほしい」と呼びかけています。