鈴木財務相の不信任決議案否決 反対多数 予算案めぐり立民提出

新年度予算案をめぐり、立憲民主党が提出した鈴木財務大臣の不信任決議案は衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党や日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。

衆議院予算委員会で審議が行われている新年度予算案について、立憲民主党は審議が十分ではなく、採決は認められないとして、小野寺予算委員長の解任決議案が否決されたのに続いて、新たに鈴木財務大臣の不信任決議案を提出しました。

決議案は午後10時から開かれた衆議院本会議で審議され、立憲民主党の奥野総一郎氏は趣旨弁明で、「この審議時間や内容で強行採決するのはひどい話で、何事もなかったように政治とカネの問題にフタをすることは国家の根幹を揺るがす」と述べ、賛同を求めました。

これに対し、自民党の大野敬太郎氏は「切れ目のない能登半島地震からの復旧・復興を実現するためにも、鈴木大臣に引き続き、任を務めていただくことが必要不可欠だ」と反論しました。

続いて、記名投票による採決が行われ、鈴木大臣の不信任決議案は自民・公明両党や日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決されました。

一方、立憲民主党と共産党などは賛成しました。

与党側は能登半島地震に対応する予備費などが盛り込まれていることから、年度内の成立が確実になる2日までに衆議院を通過させる構えです。

立憲民主党 鈴木財務相の不信任決議案 提出

新年度予算案の採決日程に反発し、立憲民主党が提出した自民党の小野寺・衆議院予算委員長の解任決議案は、1日午後の衆議院本会議で採決が行われ、反対多数で否決されました。

このあと、予算委員会は理事会で、2日午前0時半から委員会を開き、締めくくりの質疑を行ったあと、予算案の採決を行うことを決めました。これを受けて、立憲民主党は1日午後7時半すぎから緊急の執行役員会を開き、泉代表ら党執行部が対応を協議しました。

そして、十分な審議時間がないまま予算案の採決を行うのは認められないとして、新たに鈴木財務大臣の不信任決議案を衆議院に提出しました。

決議案では鈴木大臣を不信任とする理由について、自民党の政治資金パーティーをめぐる問題に関連し、疑惑を持たれた政治家が納税するかどうかは個人の判断だなどとした国会答弁が不適切で、国民の批判を招いたとしています。

衆院本会議 午後10時から開会へ

衆議院議院運営委員会は1日夜8時半から理事会を開き、立憲民主党が提出した鈴木財務大臣の不信任決議案を審議する衆議院本会議を10時から開くことを決めました。

与党側は決議案を反対多数で否決する方針です。

立民 奥野総一郎氏「採決強行する自民に徹底して抗戦」

鈴木財務大臣の不信任決議案の提出者の1人、立憲民主党の奥野総一郎氏は記者団に対し、「鈴木大臣は税の責任者で、予算の所管大臣でもあり、審議時間が足りない中、採決を強行する責任の一端がある。政治とカネの問題で政治倫理審査会が開かれたが、経緯も実態もまったく明らかになっておらず、ゆっくり審議すべきだ。採決を強行する自民党には徹底して抗戦していく」と述べました。

立民 安住国対委員長「息長く戦う」

立憲民主党の安住国会対策委員長は1日夜に行われた党の代議士会で、「政府・与党が新年度予算案の自然成立にこだわって、強引に審議を打ち切ろうということはやっぱりよくない。本気で戦う時はこうやって戦うということを貫徹したい。息長く戦う」と述べました。

維新 藤田幹事長「立民の日程闘争にも賛同できず」

日本維新の会の藤田幹事長は記者団に対し、「自民党が政治倫理審査会を予定どおり開いておけば、ここまでめちゃくちゃな国会日程にならなかったはずで、根本の原因は自民党にある。一方で、立憲民主党が最後まで日程闘争のような、昭和のスタイルの国会運営を行うことにも全く賛同できない。このあとも不信任決議案などをいくつか用意しているという話も漏れ聞こえてくるが、国民から賛同されない」と述べました。

また、立憲民主党の山井和則氏が1日の衆議院本会議で3時間近く趣旨弁明を行ったことについて、「意味がない見苦しいパフォーマンスだ。あれだけ長い時間、漫談のように演説できるスキルは認めるが、内容のない話を垂れ流すのは国民の政治に対する信頼を失う」と述べました。

新年度予算案 与党側 2日までに衆院通過させる構え

新年度予算案の採決日程に反発し、立憲民主党が提出した自民党の小野寺衆議院予算委員長の解任決議案は衆議院本会議で採決が行われ、否決されました。
与党側は予算案について、年度内の成立が確実になる2日までに衆議院を通過させる構えで、与野党の激しい攻防が続いています。

新年度予算案をめぐって、立憲民主党は審議が不十分にもかかわらず、1日の衆議院予算委員会で採決する日程を決めたのは容認できないなどとして、自民党の小野寺予算委員長の解任決議案を提出しました。

決議案は午後1時すぎから開かれた衆議院本会議で審議され、立憲民主党の山井和則氏は趣旨弁明で、「われわれは予算案を通さないと言っているわけではないのに、審議を打ち切る小野寺氏は委員長にふさわしくない」と述べ、賛同を求めました。

これに対し、自民党の橋本岳氏は「予算案には能登半島地震で被災した人の命を守る財政措置が講じられており、早期に成立させることが国民から負託された責務だ」と反論しました。

続いて、記名投票による採決が行われ、小野寺委員長の解任決議案は自民・公明両党や日本維新の会などの反対多数で否決されました。

一方、立憲民主党と共産党、国民民主党などは賛成しました。

決議案の否決を受けて、衆議院予算委員会は午前9時から予定していた集中審議を午後5時半すぎから始め、岸田総理大臣らが出席して質疑が行われています。

また、予算委員会は理事会で、2日午前0時半から委員会を開き、締めくくりの質疑を行ったあと、新年度予算案の採決を行うことを決めました。

与党側は能登半島地震に対応する予備費などが盛り込まれていることから、年度内の成立が確実になる2日までに衆議院を通過させる構えで、与野党の激しい攻防が続いています。

野党の反応

予算案をめぐり野党側は、立憲民主党が反対の方向で党執行部に対応を一任しているほか、日本維新の会は1日夕方、反対することを決めました。

また、共産党が反対する見通しとなっているほか、去年の臨時国会では補正予算案に賛成した国民民主党も反対する方針です。

さらに、れいわ新選組も反対する方向で対応を検討しています。

自民党の衆院予算委員長の解任決議案 否決

新年度予算案の採決日程に反発し、立憲民主党が提出した自民党の小野寺・衆議院予算委員長の解任決議案は衆議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党や日本維新の会などの反対多数で否決されました。

新年度予算案をめぐって、立憲民主党は審議が不十分にもかかわらず、1日に衆議院予算委員会で採決する日程を決めたのは容認できないなどとして、自民党の小野寺予算委員長の解任決議案を提出しました。

決議案は午後1時すぎから開かれた衆議院本会議で審議され、立憲民主党の山井和則氏は趣旨弁明で、「われわれは予算案を通さないと言っているわけではないのに、審議を打ち切る小野寺氏は委員長にふさわしくない」と述べ、賛同を求めました。

これに対し、自民党の橋本岳氏は「予算案には能登半島地震で被災した人の命を守る財政措置が講じられており、早期に成立させることが国民から負託された責務だ」と反論しました。

続いて、記名投票による採決が行われ、小野寺委員長の解任決議案は、自民・公明両党や日本維新の会などの反対多数で否決されました。

一方、立憲民主党と共産党、国民民主党などは賛成しました。このあと与党側は、午前中に始める予定にしていた衆議院予算委員会の集中審議を行うことにしていて、採決をめぐる与野党の攻防が激しくなっています。

小野寺衆議院予算委員長「中立な委員会運営に努めたい」

自民党の小野寺衆議院予算委員長は、自身の解任決議案が本会議で否決されたあと記者団に対し「能登半島地震もあり、予算案を早く成立させることが復興に結び付く。被災地の復興には予算が必要だが、自然成立が確定すれば自治体は4月を待たずさまざまな事業を進めることができる。解任決議案が出されたことを重く受け止め、中立な委員会運営に努めたい」と述べました。

林官房長官「一日も早い成立に向け真摯に対応」

林官房長官は閣議のあとの記者会見で「能登半島地震の復旧・復興に向けて、切れ目のない対応に万全を期すための予算など、国民生活に直結するさまざまな予算が盛り込まれており、速やかかつ着実に実施していくことが必要だ。政府としては一日も早い成立に向けて国会審議に真摯(しんし)に対応していきたい」と述べました。

自民 加藤前厚労相「早く本来の審議を」

衆議院予算委員会で与党側の筆頭理事を務める自民党の加藤・前厚生労働大臣は記者団に対し、「予算案には能登半島地震に対応する経費なども入っており、地元からも『早く成立の見通しを立ててほしい』という強い要望がある。残念ながら立憲民主党が予算委員長の解任決議案を出したので、われわれとしては粛々と処理し早く本来の審議に入りたい」と述べました。

公明 石井幹事長「予算案 なるべく早く可決したい」

公明党の石井幹事長は記者会見で「衆議院予算委員会ではこれまで審議を重ねており、例年の審議時間と比べても大幅に短いということはない。能登半島地震の対応を含めた非常に重要な予算案であり、自然成立の期限を前に予算案を人質に取るような国会対応はいかがなものか。粛々と解任決議案を否決し、予算案をなるべく早く可決したい」と述べました。

国民 玉木代表 予算案に反対の方針

国民民主党の玉木代表は、1日午前、記者団に対し、新年度予算案に党として反対する方針を明らかにしました。玉木氏は「予算案には、ことし5月以降の燃油価格対策がなく、政権の賃上げに向けた熱意も感じられない。派閥の政治資金パーティーをめぐる問題は、民主主義の根幹を揺るがし、反対の判断に明確に影響を与えた」と指摘しました。

国民民主党は、去年の臨時国会では補正予算案に賛成していました。

予算案をめぐり野党側は、立憲民主党が反対の方向で党執行部に対応を一任しているほか、日本維新の会は1日夕方、対応を決める方針です。

また共産党は反対する見通しです。

山井和則氏の趣旨弁明 記録が残る1972年以降、最も長く

衆議院本会議での小野寺予算委員長の解任決議案の審議で、決議案の提出者の1人で立憲民主党の山井和則氏は2時間54分、趣旨弁明を行いました。

衆議院本会議で行われた決議案などの趣旨弁明としては、記録が残る1972年以降、最も長い時間となりました。

これまでは、2018年に当時の立憲民主党の枝野代表が安倍内閣に対する不信任決議案で2時間43分行った趣旨弁明が最長でした。