神奈川 逗子 放置うさぎ新たに1匹 防犯カメラ分析など警察捜査

2月20日以降、神奈川県逗子市で放置されたうさぎが30匹以上見つかっている問題で、NHKが付近を取材したところ新たに1匹が見つかりました。警察は何者かが捨てた可能性もあるとみて周辺の防犯カメラを分析するなど捜査しています。

警察によりますと2月20日以降、逗子市沼間にある住宅街の近くの草やぶなどで相次いでうさぎが見つかりました。

通報が寄せられて警察官が保護したり、見つけた一般の人が警察署に連れてきたりしたということで、見つかったうさぎは29日までに合わせて30匹以上に上っています。

NHKが付近で取材していたところ、29日午後にも道路の脇で草を食べる茶色いうさぎ1匹が見つかり、警察や神奈川県の動物愛護センターに連絡しました。

これまでの調べによりますと、同じような場所で相次いで見つかっていることから、何者かが捨てた可能性もあるということです。

警察は防犯カメラの映像を分析するなど、動物愛護法違反の疑いで捜査を進めています。

相次ぎ見つかったうさぎ これまでの経緯は

2月、神奈川県逗子市で相次いで見つかった30匹以上のうさぎ。

いったいどこから来たのでしょうか。

【2月20日 最初の12匹】
最初に見つかった現場は、横浜横須賀道路の「逗子インターチェンジ」近くの住宅街の先にある草やぶです。

警察によりますと、2月20日の午後3時40分ごろ、犬の散歩をしていた男性から「うさぎが道路上にいる」という通報がありました。

通報した男性が12匹を保護して自宅に連れて帰っていて、段ボールに入れた状態で駆けつけた警察官に引き渡したということです。

【23日の目撃者】
3日後の23日には最初の発見現場の近くにあるサバイバルゲームの施設を管理している男性がうさぎを目撃しました。

施設の敷地のそばの道路にいた2匹のあとについて、男性が草やぶに入っていくと、10匹以上いたということです。

【それ以降も発見相次ぐ】
24日にも「10匹以上いる」と110番通報があり、現場に駆けつけた警察官が草やぶの中で活発に動き回る13匹を保護したということです。

さらに、25日にも草やぶの中で3匹が見つかったほか、27日に6匹が見つかり最初に通報が寄せられた2月20日以降、相次いで見つかったうさぎは合わせて30匹以上に上るということです。

現在は神奈川県の動物愛護センターなどで保護されているということです。

【どこから来たかは不明】
警察によりますと、うさぎは茶色や白色で、大きさや見た目は同じだということで警察はどこかで飼われていたものを誰かが現場まで運んで捨てたのではないかとみていますが、これまでのところ飼い主などは特定できていません。

おとなしく、人間を見ると隠れてしまうような性格で、警察によりますと、これまでに住民などがかまれてけがをしたといった情報は入っていないということです。

最初の12匹 当時の状況は

最初に見つかったうさぎ12匹を保護した男性の妻がNHKの取材に応じ、当時の状況を明らかにしました。

男性の妻によりますと、犬の散歩をしていたところ、ガードレールにカラスが集まっていて不審に思ったということです。

男性がよくみると、ガードレールの下で身を寄せ合う数匹のうさぎがいて、そのうち1匹はカラスに突かれて目にけがをしていたということです。

男性はそのうさぎを保護するためいったん家に連れて帰ったあと、近くにいた11匹のうさぎをジャンパーの中に入れて連れて帰りました。

その後、警察に連絡し、段ボールに入れた12匹のうさぎを駆けつけた警察官に引き渡したということで、男性の妻は「小さくておとなしく、とてもかわいかったです。放置されたとしたらかわいそうです」と話していました。

獣医師 “飼われていた大人のうさぎの可能性高い”

うさぎに詳しいさいたま市の獣医師、斉藤久美子さんは「見つかったうさぎは『ヨーロッパアナウサギ』という種類とみられ、ヨーロッパでは野生で生きている国もあるが、日本では自然環境にはいません」と話しています。

そして、飼われていた比較的若い大人のうさぎの可能性が高いとしたうえで「うさぎが、犬や猫のように捨てられたことはあるが、これだけたくさんの数がとなると私も聞いたことがありません。かわいくて飼っていたが、避妊や去勢をせずにどんどん繁殖して近親交配になってしまい、飼育崩壊したのかもしれませんが、画像で見るかぎりはやせてはおらず劣悪な環境にいたのではないと思います」と分析しています。

また、「日本の自然環境では、たぬきやきつねなどの肉食の野生動物に食べられてしまうので、生きてはいけません。神経質で怖がりな動物なので、捕まらないうさぎもいると考えられとても心配です」と話しています。