衆院予算委 立民“政倫審公開を” 首相“公開是非は国会判断”

衆議院予算委員会の集中審議で、立憲民主党は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題を受けた政治倫理審査会を公開で開催するよう迫りました。これに対し、岸田総理大臣は、審査会は国民への説明の場として重要だとする一方、公開の是非は国会で判断されるべきだという考えを示しました。

国会は26日、新年度予算案を審議している衆議院予算委員会で、能登半島地震への対応や政治資金などをテーマに集中審議が行われています。

このうち、自民党の石破元幹事長は、能登半島地震の対応に関連し「体育館の避難所に雑魚寝というのは基本的に100年前と変わっていない。いつか見舞われるとされる首都直下地震や南海トラフ巨大地震までに、できるかぎり避難所の在り方を整備していかねばならない」と指摘しました。

これに対し、岸田総理大臣は「被災した際は、まずは住民に最も身近な自治体が運営する避難所に国が支援するという体制で進めているのが現状だ。人道支援の『スフィア基準』をはじめ、国際的な取り組みも参考にしながら不断の見直しを行っていきたい」と述べました。

立憲民主党の野田元総理大臣は、政治倫理審査会の開催をめぐり「岸田総理大臣は、説明責任を果たさなければならないと、何回も言ってきたので完全公開でないとおかしい。誰も見ないところでつぶやいたことが、なぜ説明責任になるのか。完全公開を指示したらどうか」と迫りました。

これに対し、岸田総理大臣は「審査会は、国民に向けて説明するうえで大変重要な場だと思うが、原則として傍聴を認めず、本人の意思を尊重するという規程の中で具体的にどう対応するのか、国会で判断されようとしている。説明責任を果たす重要性を働きかけ、促すことは党として当然、行っていくが、公開の是非は規程に基づいて国会で判断されるべきものだ」と述べました。

また、有事への対応をめぐり、岸田総理大臣は、住民が一定期間避難できるシェルターの整備について「今年度の補正予算で設計の支援などに必要な予算を確保しており、来月末をめどに、地域などに関する基本的な考え方や設計、構造のガイドラインを設定する予定だ」と述べました。

自民 石破元幹事長「個人的に公開すべきだと思っている」

自民党の石破元幹事長は、国会内で記者団に対し「大勢の人に説明できるので、なるべく公開したほうがいい。非公開にする合理的な理由はなかなか見当たらない。規程では、多くの会派が非公開だと言えばそうなってしまうので限界はあるが、個人的に公開すべきだと思っている」と述べました。