政治資金問題 自民 松野氏ら5人 衆院政倫審に審査を申し出

派閥の政治資金パーティーをめぐる問題で、自民党の松野前官房長官ら5人は衆議院政治倫理審査会に対し審査を申し出ました。自民党は早ければ来週半ばの開催を検討していて、与野党の間で具体的な日程や公開の是非などの調整が行われる見通しです。

衆議院政治倫理審査会について、自民党は立憲民主党に対し、いずれも安倍派の事務総長を務めた塩谷元文部科学大臣、松野前官房長官、西村前経済産業大臣、高木前国会対策委員長と、二階派の事務総長を務めた武田元総務大臣の合わせて5人が出席する意向だと伝えています。

松野氏ら5人は、審査会で弁明して説明責任を果たしたいとして、22日、田中会長に文書で審査を申し出ました。

審査会が開かれれば2009年以来となります。

自民党は早ければ来週半ばの開催を検討していて、2日にわけて行う案も出ています。

これに対し、野党側は原則、非公開の審査会を公開して開催するよう求めています。

5人からの申し出を受けて、審査会は来週26日にも幹事会を開くとみられ、与野党の間で審査会の具体的な日程や公開の是非などの調整が行われる見通しです。

自民と立民 国対委員長代理が会談

これを受けて、自民党の御法川国会対策委員長代理と立憲民主党の笠国会対策委員長代理が国会内で会談しました。

この中で御法川氏は、松野前官房長官ら5人が衆議院政治倫理審査会に対し審査を申し出たことを伝えました。

また、野党側の求めに応じて、ほかの関係議員46人に意向確認を行った結果、体調不良などの4人を除き「全体としては状況を見ながら判断したいという回答だった」と説明しました。

これに対し、笠氏は、野党各党と対応を協議する考えを示しました。

自民 御法川国対委員長代理「政倫審 来週にも開催できれば」

自民党の御法川国会対策委員長代理は記者団に対し「政治倫理審査会はできるだけ早く、来週にも開催できればいいと思っている。もろもろの段取りが整うかは現場の話なので、積極的に進めてほしい。野党側から『早く開催を』という話があったので『できるだけ応じたい』と答えた」と述べました。

立民 泉代表「隠す必要はなく公開で行ってもらいたい」

立憲民主党の泉代表は記者会見で「どういう経緯で裏金をシステムとして続け、誰がどのような発言をし、会計責任者とどんなやり取りがあったかなどについて明確に答えるべきだ。不十分な説明なら、次の手段として証人喚問に移らざるをえない。隠す必要はなく、公開で行ってもらいたい」と述べました。

また、自民党に対し、関係議員全員に出席の意向を確認するよう求めていることについて「5人のほかにも審査会に出たいと言っている議員がいるかもしれないのに、意思確認を遅らせている。きょう午前中の回答を求めているが、結果がごまかしのようなものなら、今後の国会日程に影響が及ぶのではないかと懸念している」と述べました。

立民 笠国対委員長代理「意向確認 極めて遺憾で残念な結果」

立憲民主党の笠国会対策委員長代理は記者団に対し「自民党の意向確認は、本当にそうなのか甚だ疑問だ。説明責任を果たしたい人が当然いるだろうと思っていただけに、極めて遺憾で残念な結果だ」と述べました。

公明 山口代表「国民の関心に応えられるよう機会生かして」

公明党の山口代表は党の中央幹事会で「何のために審査会があるのかを踏まえ、説明責任を尽くす場として国民の関心に応えられるように 機会を生かしていくべきだ。また、新年度予算案については自然成立が確保できるような日程での衆議院での可決を求めたい」と述べました。

教育 前原代表「非公開では国民全く納得せず 公開で開催すべき」

教育無償化を実現する会の前原代表は記者会見で「安倍派と二階派で組織的にどのようなことが行われていたのか、しっかりと説明責任を果たしてもらえるかどうかが大事だ。不十分であれば、参考人招致や証人喚問も考えられる。開催にあたっては、非公開では、国民は全く納得せず、公開で開催すべきだ」と述べました。