ENEOSホールディングス グループ会社会長 セクハラ行為で解任

石油元売り最大手のENEOSホールディングスのグループ会社で、再生可能エネルギー事業を手がける「ジャパン・リニューアブル・エナジー」は、安茂会長が懇親の場で、女性にセクハラ行為を行ったとして会長職を解任したと発表しました。ENEOSホールディングスではおととしと去年、当時の会長と社長が、それぞれ女性に不適切な行為を行ったとして、辞任したり解任されたりしています。

発表によりますと、去年12月下旬、ジャパン・リニューアブル・エナジーの内部通報窓口に、安会長が懇親の場で女性に不適切な行為を行ったと通報がありました。

会社が調査した結果、セクハラ行為があったと判断し、21日付けで会長職を解任したということです。

安会長は調査に対し「酒を飲んでいて覚えていないが、処分は受け入れる」と話しているということです。

安会長は、2015年から会社の会長を務めてきたほか、風力発電事業者などが加盟する業界団体の「日本風力発電協会」の代表理事も務めています。

ENEOSホールディングスをめぐっては、おととし8月、当時の杉森務 会長が、飲食店で接客をしていた女性に対して、性的に不適切な行為を行ったとして辞任しています。

また、この問題を受けて、再発防止に取り組む考えを示していた当時の齊藤猛 社長も去年12月、懇親会の場で同席していた女性に対し、酒に酔って抱きつくといった不適切な行為があったとして解任されています。

ENEOSホールディングスは「関係者の皆様にご迷惑をおかけし、深くおわび申し上げる。グループ会社での不適切行為の発生を重く受け止め、人権尊重・コンプライアンスに関する取り組みの強化・徹底に、グループ一丸となって取り組んでいく」とコメントしています。

役員報酬没収も 「クローバック・マルス条項」導入

ENEOSホールディングスはおととし、当時の杉森会長が女性に対し不適切な行為を行ったとして辞任したことを受け、再発防止策の一環として去年4月、「クローバック・マルス条項」と呼ばれる仕組みを導入しています。

この仕組みは、役員が重大なコンプライアンス違反などを行った場合、取締役会の決議などによって役員報酬の返還請求や没収を行うことができるようにするものです。

去年12月、当時の齊藤社長が女性に抱きつくなどの不適切な行為で解任された際には、会社側は、この仕組みを適用し、月額報酬や賞与などの一部の返還・没収を実施するとしていました。

また、問題の対応で発生した弁護士費用なども、会社に生じた損害として賠償を求めるとしていました。

一方、グループ会社である「ジャパン・リニューアブル・エナジー」には、この条項は導入されておらず、今回、安会長には適用されないということです。