フーシ派 アメリカ船舶2隻を攻撃と発表 緊張状態続く

イエメンの反政府勢力フーシ派は紅海周辺やイエメン沖で相次いで船舶への攻撃を行っています。19日にはアメリカの船舶2隻を攻撃したと発表し、海上輸送に重要なルートで緊張した状態が続き、輸送コストの上昇が懸念されています。

イエメンの反政府勢力フーシ派は19日、旧ツイッターのXで「この24時間以内の作戦は合計4回に達した」としたうえで、アメリカの船舶2隻を標的にしたミサイル攻撃を行ったと明らかにしました。

これに先立ちイギリスの海運機関「イギリス海運貿易オペレーション」は18日、イエメン沖を航行していた貨物船の近くで爆発があり、乗組員が船から脱出したと発表しました。

救助活動にあたったジブチの港湾当局は、この船は中米のベリーズ船籍の貨物船で、乗組員あわせて24人はジブチへ輸送されたということです。

アメリカ中央軍も19日、この貨物船がフーシ派の支配地域から2発のミサイル攻撃を受けて1発が当たったと発表しました。

これについてフーシ派の報道官は19日、船舶への攻撃を認めたうえでイスラエルがガザ地区での攻撃をやめるまで紅海周辺での作戦を続ける構えを改めて示しました。

紅海やスエズ運河はヨーロッパとアジアを結ぶ海上輸送に重要なルートで、海運大手各社は攻撃が相次いでいることでう回する対応を余儀なくされ、輸送コストの上昇が懸念されています。

EU 艦隊派遣を正式に決定

EU=ヨーロッパ連合は19日の外相会議で、紅海やアデン湾などを航行する船舶の安全を確保するため艦隊を派遣することを正式に決めました。

作戦本部はギリシャに置かれ、イタリアやベルギーがすでに参加を表明しているほかドイツやフランスなども参加する予定だと報じられています。

イタリアのタヤーニ外相は「イタリアは商業上の利益と紅海の航行の自由を守る最前線に立つ」とSNSに投稿しました。