大谷翔平 実戦復帰へ打撃練習 フェンス越える大きな当たり

大リーグ、ドジャースの大谷翔平選手がアリゾナ州で行われているキャンプで初めて実戦形式の打撃練習に参加し、外野のフェンスを越える大きな当たりを打つなど、実戦復帰を前に状態の良さを結果で示しました。

大谷選手は19日、アリゾナ州グレンデールで行われているキャンプでロバーツ監督やチームメートのほか、エンジェルスのネビン前監督などが見守る中、初めて実戦形式の打撃練習を行い3回打席に入りました。

1打席目は、2017年にプロ野球、広島でプレーし、昨シーズン途中、ドジャースに移籍し39試合に登板した中継ぎピッチャーのブレイジャー投手と対戦し、一度もバットを振らず5球を見て軌道を確かめていました。

ピッチャーが代わった次の打席は、1球目でファウルボールが右足に当たり声を上げる場面がありましたが、その後は痛がる様子はなく5球目の変化球を空振りして三振でした。

そして、最後の3打席目は右投げの中継ぎピッチャーと対戦し、追い込まれた6球目、真ん中付近にきたボールを捉えました。

低い弾道で飛んだ打球はバックスクリーン右横の外野フェンスを越え、集まったファンからは大きな歓声が上がりました。

ドジャースは20日の全体練習が休みで、21日の練習日を挟んだあと22日からはオープン戦が始まる予定です。

大谷選手の実戦復帰は週明けになる見込みとなっています。

ホームラン王の貫禄示す強烈なライナー

大谷選手が大リーグのピッチャーが投げる“生きたボール”を打つのは昨シーズン最後の出場となった9月3日のアスレティックス戦以来、およそ5か月半ぶりでしたが、右ひじの手術の影響を感じさせない力強いスイングを見せました。

打球は大谷選手らしい強烈なライナーで右中間のフェンスを越え、ホームラン王の貫禄を存分に示した打席となりました。

大谷選手は去年9月4日の試合前に行った屋外でのバッティング練習中に右の脇腹を痛め、その後は試合に出場することなくシーズンを終えました。

去年9月19日に受けた右ひじのじん帯修復手術から5か月が経過し、バッティングの際も右腕の広い範囲を覆うサポーターを着けている姿を見ると今もリハビリ中であることが分かりますが、打席ではそれを感じさせない力強いスイングを見せました。

この日の練習には大谷選手の代理人を務めるネズ・バレロ氏が初めてキャンプ地に姿を見せ、昨シーズンまでエンジェルスで監督を務めたネビン前監督も息子がドジャース傘下のマイナーリーグでプレーしているためキャンプ地を訪れ、グラウンドで大谷選手のバッティングを見守りました。

バレロ氏は「翔平からライブBP(実戦形式の打撃練習)に参加すると連絡があったので来た。きょうは大事な日だ」と話し、この日の練習が関係者にとっても復帰に向けて重要な位置づけだったことをうかがわせました。

来月20日に韓国で行われる開幕戦まで残り1か月。

キャンプが始まって10日あまりが経過し、ここまで大谷選手の調整はエンジェルス時代と同様に本人に任されている様子ですが、復帰に向けた練習の強度は着実に上がっています。

対戦投手も脱帽「ああ、彼は翔平だ」

大谷選手と対戦し、6球目をバックスクリーン横に運ばれたファイエライゼン投手は、「打たれた瞬間『ああ、彼は翔平だ』と思った。彼が健康に、準備万端な様子でバットを振って、私からホームランを打つのを見るのは楽しかった」と大谷選手のバッティングに脱帽した様子でした。

そして、「翔平が打っているとみんなが見に行こうとする。私が前に登板した実戦形式の投球練習の時とはまったく違っていた」と大谷選手の注目度の高さに驚きながら「チームメートから『ホームランボールをもらってきてサインしてもらえ』と言われたよ」と冗談を交えながら笑顔で話していました。

代理人「投手としてのリハビリ開始は4月のどこか」

大谷選手の代理人のネズ・バレロ氏は、大谷選手のピッチャーとしての今後のリハビリの予定について「医師やリハビリを担当する理学療法士からゴーサインが出れば、始まるだろう。今はまだ早いが、私の予測では韓国での開幕シリーズから戻ってきた後、4月のどこかになるのではないかと思う」と明かし、キャンプ中には開始しないだろうという見通しを示しました。

その上で「彼はことし登板しないから急ぐ必要は無いし時間はたっぷりある。これまでも言ってきたように来年のシーズン開幕時にはピッチャーとして復帰できると自信を持っているし、手術からは16~7か月あるからね」と話していました。