木原防衛相 “防衛力強化 着実に進める” 有識者会議の初会合

安全保障に関する3つの文書に基づき、防衛力の抜本的強化に向けた施策を検討する、防衛省の有識者会議の初会合が開かれ、木原防衛大臣は、国民の理解を得ながら、防衛力強化を着実に進めるとともに、その先の防衛力整備についても並行して検討していく必要があるという考えを示しました。

防衛省は、おととし策定した安全保障に関する3つの文書に基づき、防衛力の抜本的強化に向けた施策を検討するため、経団連の榊原定征 名誉会長を座長に、森本元防衛大臣など、経済や防衛、科学技術などの専門家17人で構成する有識者会議を設け、19日に初会合が開かれました。

会合で木原防衛大臣は「わが国を守るためには自衛隊を強くしなければいけない。国民の理解を得ながら、防衛力の抜本的強化を着実に進めていく。現在計画している事業のみならず、その先の防衛力整備をいかに進めていくかも並行しながら検討していきたい」と述べました。

座長の榊原氏は「防衛費の5年間の規模を43兆円とすることの見直しをタブーとせず、現実を踏まえた、より実効的な水準のあり方や国民負担のあり方、具体的な財源などについて改めて本音ベースで議論すべきだ」と指摘しました。

林官房長官 “計画を見直すことは考えていない”

林官房長官は午後の記者会見で「榊原氏の発言はあくまで有識者としての立場からの意見だと理解している。政府としては、いっそうの効率化や合理化を徹底し、防衛力整備計画で定められた43兆円程度の規模を超えることなく、防衛力の抜本的強化を実現する考えで、計画を見直すことは考えていない」と述べました。