使用済みロケットなど「宇宙ごみ」撮影する衛星 打ち上げ成功

宇宙空間を漂う使われなくなった人工衛星やロケットなどの「宇宙ごみ」の除去に向けて、日本の民間企業が開発した「宇宙ごみ」を撮影する衛星が18日夜、ニュージーランドから打ち上げられました。衛星は予定の軌道に投入され、打ち上げは成功しました。

東京のベンチャー企業、「アストロスケール」は「宇宙ごみ」を回収するための技術の確立を目指していて、今回、JAXA=宇宙航空研究開発機構と協力して宇宙空間に漂っている使用済みのロケットに接近し、撮影することを目的とした衛星を開発しました。

衛星は日本時間の18日午後11時50分すぎにニュージーランドから打ち上げられ、およそ1時間後に予定の軌道に投入されて打ち上げは成功したということです。

衛星が接近して撮影を試みるのはJAXAが2009年に打ち上げたH2Aロケットの一部で、現在は高度600キロを周回し続けていますが、GPSなどの位置情報を発信していないため、正確な位置は特定できていないということです。

衛星は今後、地上からの観測データなどをもとにロケットから数メートルの距離にまで接近して撮影する予定で、将来的にはこうした「宇宙ごみ」を回収して取り除く衛星の開発にも本格的に取り組むとしています。

アストロスケールの岡田光信CEOは「無事に衛星が軌道に乗りほっとしているが、ミッションを完了するまで順調にいっても60日ほどかかる。やるべきことはたくさんあるので気を引き締めていきたい」と話していました。