イスラエル首相 ラファ地上作戦 住民を北に退避させ行う考え

ガザ地区南部にあり、避難者など150万人近くが暮らしているラファへの地上作戦について、イスラエルのネタニヤフ首相は、住民をラファの北にあるハンユニスなどに退避させたうえで行う考えを示しました。

ガザ地区で最も南にあるラファには避難者を含めて150万人近くが暮らしていて、国際社会からはイスラエル軍による大規模な地上作戦への懸念の声が強まっています。

こうした中、イスラエルのネタニヤフ首相は17日の記者会見でも、「われわれの作戦を止めようとするものは、戦争に負けろと言っているのと同じだ」と述べ、あくまで地上作戦を進める考えを強調しました。

また、アメリカの意向を受けてイスラエル軍が検討をしているラファの住民の退避とハマスの壊滅を両立させる計画については、「まもなくハンユニスでの作戦を終了するため、住民が避難する場所はある」と述べました。

現在、南部ハンユニスで行っている作戦が終了すれば、同じ南部でもラファより北側の地域に住民を退避させることは可能だという考えを示したものと見られます。

一方、カタールなどを仲介役にイスラエルとイスラム組織ハマスの間で進められている戦闘の休止と人質の解放などの交渉は難航しています。

ハマスのハニーヤ最高幹部は17日、「われわれは完全な停戦以外は受け入れない。問題を先延ばしにしているのはイスラエル側だ」とする声明を発表し、交渉が進まないのはイスラエル側の責任だと非難しました。

これに対して、ネタニヤフ首相は「ハマスの要求は妄想のようなもので、それらの要求を取り下げれば交渉を進めることができる」としていて、依然として双方の立場の隔たりは大きく、交渉がまとまる見通しは立っていません。