能登半島地震の津波で海底に堆積した岩など潜水調査 能登町

能登半島地震の津波の影響で海底に堆積した岩や土砂などについて、金沢大学の研究チームによる潜水調査が16日、能登町で行われました。

能登半島地震による津波の影響を分析するため、金沢大学のロバート・ジェンキンズ准教授らの研究チームは、1月22日から能登町の九十九湾や珠洲市の沖合で海底調査を行っていて、16日は九十九湾で潜水調査が行われました。

九十九湾の海底ではあちこちに地震の前にはなかった岩が点在しているということで、どのように運ばれてきたのか調べるために、岩がある場所の海上にバルーンを浮かべて位置関係を確認する作業などを行いました。

研究チームは10年余り前からこの海域で地質や生態系などの調査をしていて、今回の地震で津波がどのように押し寄せたのかや、生物への影響を地震前と比較して調べることにしています。

金沢大学のジェンキンズ准教授は「いまの海底はもともと泥地だった場所に沿岸にあった岩が流れ込み、その上に泥が堆積している。岩の位置関係を調べることでどんな変化があったのか、そして今後の継続調査では、生態系にどのような影響があるのかを突き止めていきたい」と話していました。

研究チームは17日、珠洲市の沖合に場所を移し、海底の土砂などを採取して今回の津波の痕跡などを調べることにしています。

NHK潜水取材班 水中ドローンで海底撮影

金沢大学の研究チームに同行したNHKの潜水取材班は、独自に水中ドローンを使って海底の撮影を行いました。

水深10メートルほどの海底には大きな岩があちこちに散乱していて、泥に覆われた場所ではドローンが海底にふれると細かい泥が巻き上がる様子が確認されました。