JR線ケーブル切断 宇部線 別の駅でも約60か所 被害200か所超に

山口県内のJRの2つの路線で、レールのつなぎ目に取り付けられている銅製のケーブルが切断されて持ち去られた問題で、16日、宇部線の別の駅の構内でもおよそ60か所でケーブルが切断されているのが見つかりました。これで切断被害は200か所を超え、警察が窃盗の疑いで捜査しています。

山口県内のJRでは、レールのつなぎ目に取り付けられている「レールボンド」と呼ばれる銅製のケーブルが、15日までに宇部線でおよそ110か所、山陽本線でおよそ50か所、切断されて持ち去られ、本数に換算すると被害は300本を超えています。

JR西日本が順次、ケーブルの点検を進めていますが、16日午前2時40分ごろ、宇部線の居能駅の構内でもおよそ60か所で130本の「レールボンド」が切断されてなくなっているのが確認されました。

この影響で、宇部線と小野田線は始発から全線でおよそ4時間にわたって運転を見合わせました。

JRによりますと、今月8日に居能駅の構内のケーブルを点検した際に異常はなかったということです。

これで切断被害はおよそ220か所となり、警察はJRからの被害届を受け窃盗の疑いで捜査しています。

ケーブル切断されたのが見つかった居能駅では

ケーブルが切断されているのが見つかった居能駅の周辺では、JRの作業員が朝早くから復旧作業や線路の点検などに追われました。

近所の人によりますと、駅の利用者は近くにある私立高校などに通う若者が多いということです。

運転の見合わせを知らせるアナウンスを聞いて、バスなど別の通勤手段に切り替える人もいました。

居能駅の近くでハウスクリーニング業を営む50代の男性は「事件のことはニュースで知っていましたが、今度は近くの駅で起きて驚いています。通学などで利用する学生が多く、本当に困ると思うので早く解決してほしいです」と話していました。