石川 輪島 地震被害の老舗酒店 営業再開に向け準備進む

能登半島地震で被害を受けた石川県輪島市の老舗の酒店では、商品の数が十分にそろわない中、営業再開に向けた準備が進められています。

輪島市河井町にある創業90年の老舗の酒店は、石川県内の地酒など300種類以上の銘柄を扱い、地元の料理店をはじめ全国に販売しています。

今回の地震で店の建物に大きな被害はなかったものの、店内に並べられていた商品およそ300本が棚から落ちるなどして割れ、被害額は少なくとも数百万円にのぼるとみられるということです。

社長の高田雅文さん(63)は、店の近くにある自宅の一部が壊れましたが、市外には避難せず、店に泊まり込んで片づけを行っています。

取り引きのある酒造会社のほとんどは酒を製造できておらず、道路の状況も悪いことから、商品は通常の2割程度しか手もとにありません。

それでも高田さんは「地元の灯を絶やしたくない」という強い思いで、営業再開を目指しています。

本格的な再開の時期は未定だということですが、15日は前を通りかかった人たちが、高田さんを励ましたり、商品を購入したりしていました。

高田さんは「輪島は人情に厚く、つながりの深いまちです。昔のように仲よく元気で明るい姿に戻したいと思います」と話していました。