札幌 中学生いじめ自殺 黒塗り部分修正の新たな報告書まとまる

3年前、札幌市の中学1年の女子生徒が自殺した問題について、市の教育委員会は調査報告書の黒塗り部分を修正した新たな報告書をまとめました。

それによりますと、女子生徒は同じ学年の生徒から私物を隠されたり髪の毛を引っ張られたりするいじめを受け、相手の生徒を名指しした遺書を残していたということです。

3年前、札幌市の市立中学校に通っていた当時1年の女子生徒が自殺した問題について、札幌市教育委員会は去年、いじめが原因で亡くなったとする調査報告書を公表しました。

しかし、いじめの具体的な内容などが黒塗りにされ、実態を正確に把握することが難しいという声が遺族などから上がったため、市の教育委員会は黒塗りにした部分の大半を公表することに改め、このほど、修正した調査報告書をまとめました。

それによりますと、女子生徒は中学校の同級生から私物のスマートフォンや鍵を隠されたり、髪の毛を引っ張られたりしたほか、SNSで「死ね」などといったメッセージが送りつけられることもあったとしていて、女子生徒が心身に苦痛を受けていた実態の詳細が明らかになっています。

また、女子生徒がこうしたいじめを受けていたことに対して、複数の生徒を名指ししたメッセージを遺書の中に残していたことも明らかになりました。

このほか、報告書の中では、小学校時代からいじめの被害を訴えても解決されない状態が続き、教員や学校が適切に対応しなかったことも自殺につながったと指摘しています。

札幌市教育委員会はこの修正した調査報告書を14日に公表する方針です。