“安全で災害のない年に”厄よけ願う「御願神事」石川 加賀

大蛇に見立てた長い縄を川に投げ入れて厄よけを祈願する「御願神事」が石川県加賀市の神社で行われました。神社では能登半島地震による被害も出たということで、宮司は「石川県内の一刻も早い復興を祈願しました」と話しています。

「御願神事」は加賀市の菅生石部神社に1300年以上前から伝わるとされています。

田畑を荒らす大蛇を竹を割る音でおびき寄せて退治したという伝説があり、10日は白装束を身に包んだ氏子などおよそ30人が、長さ2メートルほどある青竹およそ400本を地面にたたきつけて次々と割っていきました。

続いて大蛇に見立てた長さおよそ20メートルの大縄を拝殿から引き出し、厄よけを祈願して近くの川に投げ込みました。

参加した人は「能登半島地震のこともあり、『安全で災害のない年に』という強い思いで一本一本の竹を割りました」と話していました。

割られた竹には無病息災などの御利益があるとされ、見物した人たちが持ち帰っていました。

近くに住む70代の女性は「この竹をお箸にすると虫歯にならないと伝えられていて、私の母も作ってくれました」と話していました。

菅生石部神社では、能登半島地震で灯籠が倒れたり鳥居にひびが入ったりする被害があったということで、野根茂治宮司は「石川県内の一刻も早い復興を祈願しました。竹を持ち帰って、前向きになってもらいたいです」と話していました。