春闘 鉄鋼と機械大手各社の労組 賃上げ要求書提出で交渉本格化

賃上げの継続が焦点となることしの春闘で、鉄鋼と機械の大手各社の労働組合は9日に賃上げを求める要求書を経営側に提出し、労使交渉が本格的に始まりました。

このうち「日本製鉄」の労働組合は、東京 千代田区の本社で、ベースアップ相当分で月額3万円の賃上げなどを求める要求書を経営側に提出しました。

月額3万円の賃上げ要求は、オイルショックによる物価高の影響を受けた1975年以来の高い水準だということです。

提出にあたり日本製鉄労働組合連合会の幸野直通会長は「人材獲得競争を勝ち抜くためには、魅力ある労働条件の構築は極めて重要だ。物価上昇を上回る継続的な賃金の引き上げが求められている」と述べました。

ほかの鉄鋼大手の労働組合も、同じ水準の賃上げを要求していて、「JFEスチール」と「神戸製鋼所」の労働組合も要求書を提出しました。

また、「川崎重工業」「IHI」、それに「三菱重工業」の機械大手各社の労働組合も、月額1万8000円の賃上げなどを求める要求書を9日に提出しました。

ことしの春闘は、30年ぶりの高い賃上げ率となった去年の勢いを維持できるかが焦点で、中小企業の間で、賃上げの原資を確保するための価格転嫁が進むのかや、非正規雇用で働く人の間で賃上げが広がるかなども課題です。

来週には自動車メーカーの労働組合などが要求書を提出する予定です。