能登半島の北西の沖合 大地震後に海底が3m隆起 海上保安庁調査

能登半島の北西の沖合では先月の大地震のあと海底がおよそ3メートル隆起していたことが海上保安庁の調査で分かりました。隆起した範囲が活断層の位置とも一致していることから、海上保安庁は今回の地震によって隆起したと考えられるとしています。

海上保安庁は先月8日から19日にかけて、測量船を使い能登半島地震の震源域で海底の地形を調査しました。

船底から海底に発射した音波の反射から地形のデータを作成し、地震前の2003年のデータと比較しました。

その結果、能登半島の北西およそ1キロほどの沖合にかけて海底がおよそ3メートル隆起していることが確認されました。

隆起した海底の北端は能登半島の北側に複数ある活断層の一部と位置が一致することから、海上保安庁は今回の地震によって隆起したと考えられるとしていて、9日開かれる政府の地震調査委員会に報告することにしています。

一方、能登半島地震の震源域は東西100キロ以上にわたり、海上保安庁は今回調査した範囲以外の海域についても調査を続けたいとしています。

ダイバーが海底の状態を確認へ

能登半島地震で海底の地盤が隆起し、漁船が出港できなくなっている石川県輪島市の漁港について、県は、漁業の再開に向けて港の底の土砂を取り除く工事を行うことになりました。

来週以降、ダイバーが海に潜り、海底の状態を確認する予定です。

輪島市の輪島港は今回の地震で海底の地盤が隆起し、十分な水深が確保できないため、およそ200隻の漁船が港から出られない状態が続いています。

県は漁業の再開に向けて船が移動できる深さを確保するため、港の底の土砂を取り除く工事を行うことになりました。

一方、およそ200隻の漁船は、小型船で引っ張って港の別の場所に移動させ、必要に応じて修理することになり、8日は地元の漁業者などが重機を使って修理を行う予定の場所を整えていました。

漁業関係者によりますと、来週以降、ダイバーが海に潜り、海底や船の状態を確認する予定だということです。

漁港の復旧に向けて国と県は専門家による調査の結果や漁業者の意向を踏まえながら計画を検討することにしています。