「ビキニ事件」から70年 現地の式典に高知の遺族が初出席へ

アメリカが太平洋で行った水爆実験で日本の漁船「第五福竜丸」や高知県の漁船も被ばくしたいわゆる「ビキニ事件」からことしで70年です。3月1日、現地のマーシャル諸島で開かれる式典に高知県の元乗組員の遺族が初めて出席し、核兵器の廃絶を訴えることになりました。

「ビキニ事件」は、昭和29年3月1日、アメリカが太平洋のマーシャル諸島のビキニ環礁周辺で水爆実験を行い静岡県のマグロ漁船「第五福竜丸」をはじめ、高知県の漁船も被ばくしました。

水爆実験から70年になる3月1日、現地のマーシャル諸島の首都マジュロで、被ばくした島民などが参加する式典が開かれる予定です。

ことしの式典には、高知県の漁船の乗組員だった男性の遺族、下本節子さん(73)も初めて出席することになりました。

10年前の60年目の式典には第五福竜丸の元乗組員の大石又七さんが出席していて、下本さんは支援者とともに地元の国会議員や被ばくした島民と面会し核兵器の廃絶を訴え、第五福竜丸以外にも高知県の多くの漁船が被害を受けていた実態を伝えたいとしています。

下本さんは「内部被ばくの危険性を多くの人に知ってもらうとともに、島民の暮らしや思いにも触れることで核兵器の被害を絶対に繰り返してはいけないという連帯のつながりを作りたい」と話していました。