IAEA事務局長 ザポリージャ原発視察へ 両国への働きかけ続ける

IAEA=国際原子力機関のグロッシ事務局長は、軍事侵攻から2年となるのを前に、ロシアが占拠するウクライナのザポリージャ原子力発電所を視察する予定を明らかにするとともに、原発の安全の確保に向けてロシアとウクライナ、双方への働きかけを続ける考えを強調しました。

ウクライナを訪れているIAEAのグロッシ事務局長は6日、ハルシチェンコエネルギー相と会談後、首都キーウで会見し、7日に南部のザポリージャ原発を訪れることを明らかにしました。

グロッシ事務局長がザポリージャ原発を訪れるのは去年6月以来、4度目です。

ロシア軍が占拠するザポリージャ原発では、相次ぐ砲撃などで原子炉の冷却に必要な外部からの電力の供給が途絶える事態がたびたび起きています。

またIAEAによりますと、現在、ロシア側によって雇用されている原発のスタッフの数は4500人と軍事侵攻前の半数以下になっていて、人員不足も深刻だということです。

グロッシ事務局長は会見のなかで「すべてが安定し、満足できる状況には全くない」と述べ、原発をめぐる状況は依然、不安定だと懸念を示しました。

そして、来週にはロシアを訪れて関係者と協議することを明らかにした上で、「私たちは原発を確実に守ることによって、この戦争での犠牲に加えて事故が起きないことを望んでいる」と述べ、原発の安全の確保に向けてロシアとウクライナ、双方への働きかけを続ける考えを強調しました。