米長官 中東訪問へ 戦闘休止や人質の解放など協議のため出発

イスラエル軍は4日、ガザ地区南部のハンユニスで、イスラム組織ハマスのガザ地区トップヤヒヤ・シンワル指導者の弟のオフィスを発見したと発表し、ガザ地区への攻撃の成果を強調しました。こうした中、アメリカのブリンケン国務長官は中東で戦闘休止や人質の解放などについて協議するため首都ワシントン郊外の空軍基地を出発しました。

イスラエル軍はガザ地区南部への攻勢を強めていて、4日、南部のハンユニスではハマスの拠点の1つを攻撃し、ヤヒヤ・シンワル指導者の弟、ムハンマド・シンワル幹部のオフィスを発見したとSNSで発表しました。

イスラエル軍が公開した映像では、兵士らがムハンマド・シンワル幹部のオフィスだとする建物に銃を撃ちながら入り、部屋の中を捜索する様子が確認できます。

また、武器などをつくる作業場もあったとして、屋外に無数に置かれた銃や弾薬のほか、ミサイルなどもうつされています。

一方、アメリカのブリンケン国務長官は4日、中東に向けて、首都ワシントン郊外の空軍基地を出発しました。

ブリンケン長官の中東訪問は去年10月にイスラエルとハマスの衝突が始まって以降、5回目です。

今回は8日にかけて、イスラエル、パレスチナのヨルダン川西岸、カタール、エジプト、サウジアラビアを訪れて関係国などとの間で戦闘休止と人質の解放をめぐる交渉の協議を行います。

ただ、ホワイトハウスで安全保障政策を担当するサリバン大統領補佐官は4日、ABCテレビのインタビューで「現時点では交渉がすぐまとまるところまできているとは言えない」と述べていて、交渉がまとまるかは不透明な状況です。

また、ブリンケン長官は今回の中東訪問を通じてヨルダンでアメリカ軍の兵士3人が死亡した攻撃への報復措置をめぐり中東の緊張が高まらないよう働きかけを強める見通しで、周辺の情勢が改善するか注目されます。