地震で自宅が全壊判定も移住先決まらず住み続ける 富山 小矢部

能登半島地震で住宅6棟が全壊となった富山県小矢部市の山あいの地区では、移り住む先が決まらないまま、当分の間、被害の大きい自宅に住まざるをえない人たちがいます。

富山県小矢部市では今月2日時点で、地震による住宅の被害が合わせて925棟にのぼり、このうち、山あいにある吉和台地区は住宅6棟が全壊するなど市内で最も大きな被害を受けました。

市によりますと、吉和台地区は盛り土で造成されていて、地震で地盤が緩んだことが住宅の損壊などにつながったとみられるということです。

7年前、吉和台地区に自宅を購入した押野谷直隆さん(65)は自宅の前の道路や駐車場に大きな亀裂が入ったほか、自宅が傾いて全壊の判定を受けました。

家は立ち入ることが危険な状態とされ、押野谷さんは市内の別の場所に移り住むことを検討していますが、それまでは自宅に住み続けざるをえないとしています。

押野谷さんは「今はほかに行くところがないのでここにいますが、地震のたびに身構えています。家が傾いているのでふわっとする感覚があり、市役所にも相談して移り住む先を探しています」と話していました。