東京23区にも大雪警報 関東甲信 6日朝にかけて大雪のおそれ

本州の南岸を進む低気圧の影響で、関東甲信では平地でも雪が強まり、東京23区全域をはじめ関東甲信の広い範囲に大雪警報が発表されています。6日朝にかけて大雪となるおそれがあり、気象庁は積雪や路面の凍結による交通への影響に警戒するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、低気圧が発達しながら本州の南岸を東に進んでいる影響で関東甲信では雪が強まり、東京の都心でも雪が降っています。

5日午後8時の積雪は、
▽群馬県草津町で68センチ、
▽長野県飯山市で62センチ、
▽栃木県の奥日光で23センチ、
▽前橋市で9センチ、
▽さいたま市や甲府市で7センチ、
▽東京の都心で6センチ、
▽横浜市で4センチ、
▽宇都宮市で3センチ、
▽水戸市で1センチと平地でも雪が積もっています。

東京の都心で1センチ以上の積雪となったのはおととし2月11日に2センチを観測して以来です。

この雪で、関東甲信の広い範囲で大雪警報が出ていて、東京23区の全域にも発表されています。

東京23区に大雪警報が出たのは去年2月10日以来です。

関東甲信では、このあとも雪が降り続く見込みで、6日朝にかけて平地でも大雪となるおそれがあります。

6日夕方までの24時間に降る雪の量はいずれも多いところで
▽関東北部の山地で40センチ
▽甲信と、箱根から多摩地方や秩父地方にかけてで30センチ
▽関東北部の平地と関東南部の平地で15センチと予想され
▽東京23区でも8センチの雪が降る見込みです。

気象庁は、積雪や路面の凍結による交通への影響に警戒するとともに、電線や樹木への着雪、農業用ハウスの倒壊、なだれにも十分注意するよう呼びかけています。

不要不急の外出を控えるほか、外出している場合は早めの帰宅を心がけるようにしてください。

また、冬用タイヤを装着していない車の運転は控えてください。

政府 情報連絡室を設置 情報収集と警戒にあたる

5日から関東甲信地方で山沿いや山地を中心に大雪となり、東京23区を含む平地でも雪が積もる見通しとなっていることを受け、政府は4日午後3時、総理大臣官邸の危機管理センターに情報連絡室を設置し、情報収集と警戒にあたっています。

林官房長官 “気象や交通情報に十分留意 不要不急の外出控えて”

林官房長官は午後の記者会見で、政府としても万全の態勢で対応にあたるとしたうえで「首都圏では少しの降雪でも交通機関が乱れ、車の事故や立往生が発生することがある。最新の気象や交通関係の情報に十分留意し、不要不急の外出を控えるほか、外出中の人は早めの帰宅を心がけてほしい。今は受験のシーズンでもある。受験生は、時間に余裕を持った行動を取っていただくようお願いする」と述べました。

国交省と気象庁 共同で注意呼びかけ

関東甲信で大雪が予想されることについて、国土交通省と気象庁は交通への影響や車の立往生などに十分注意するよう呼びかけています。

関東甲信で大雪が予想されることを受けて、国土交通省と気象庁は5日午前、共同で取材に応じ、雪の影響や注意すべき点などについて説明しました。

このうち、気象庁は6日朝にかけて関東甲信の山沿いや山地を中心に大雪となり、5日夕方から夜遅くにかけて雪のピークとなる見通しを示しました。

今回は平地でも大雪のおそれがあり、このうち東京23区の雪は注意報級と見込まれるものの、予想より気温が低くなった場合は警報級の大雪の可能性があるとしています。

気象庁気象監視・警報センターの杵渕健一予報官は、「帰宅や移動が必要な人は、可能なかぎり早い時間帯に済ませてほしい。あす朝は気温が低いため通勤や通学の時間帯は路面の凍結や交通への影響に十分注意してほしい」と呼びかけています。

また、国土交通省は、おととしの大雪で首都高速道路などで大規模な立往生が起きたことを挙げ、今回はその対策として首都高速道路などで「予防的通行止め」を進めていると説明しました。

大雪に備えた通行止めの区間は拡大する可能性があるということで、最新の交通情報を確認するよう呼びかけています。

そのうえで、国土交通省環境安全・防災課の寺沢直樹道路防災対策室長は、「大雪の場合は不要不急の外出は控え、やむをえず車で外出する場合は必ず冬用タイヤを装着するとともにタイヤチェーンも準備してほしい。また、食料や水、携帯トイレ、毛布を用意するほか、燃料の補充もお願いしたい」と呼びかけています。

専門家 “一度に降る雪の量が多くなるおそれ” 注意呼びかけ

関東甲信で大雪が予想されていることについて、専門家は本州の南岸を進む「南岸低気圧」の影響で一度に降る雪の量が多くなるおそれがあり、雪に慣れていない都市部では交通機関への影響や車のスリップ事故に注意を呼びかけています。

雪のメカニズムに詳しい防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの上石勲特別研究員によりますと、「南岸低気圧」が接近するタイミングで雪や雨が強まるため、上空の寒気の状況によっては山沿いなどで1時間に10センチ以上の雪が降る可能性もあるということです。

一方、東京の都心では6日にかけて気温が0度以上で推移すると予想されていることから水分を含んだ湿った雪になるとしています。

湿った雪は
▽屋根や電線などに付着しやすいため信号機が見えづらくなったり、停電につながったりするおそれがあるほか、
▽積もるとシャーベット状になるため、車のスリップ事故や歩行中の転倒事故などが起きるおそれがあります。

氷点下の冷え込みになった場合は朝の通勤・通学の時間帯に路面の雪が凍結して事故の危険性が高くなるおそれがあります。

上石特別研究員は「都市部は雪に慣れていないうえ、都心は車の数が非常に多く道路交通網も発達しているため、ひとたび大雪になると非常に大きな影響を及ぼす可能性がある。できるだけ無理をせず時間に余裕を持って行動し、リモートワークの活用や早めの帰宅などの対策を心がけてほしい」と話していました。