ラグビー リーグワンとニュージーランド強豪が初の交流戦へ

ラグビーリーグワンの東京サントリーサンゴリアスと、世界最高峰のリーグのひとつスーパーラグビーのブルーズが3日、初めて交流戦を行うのを前に、来日したブルーズの選手たちが前日練習に臨みました。

今回の交流戦ではリーグワンの4チームとニュージーランドの2チームが対戦する試合が4試合組まれています。
記事後半では今回の交流戦のねらいや、意義などを詳しくお伝えしています。

初開催の交流戦 来日のブルーズが前日練習

日本のリーグワンと南半球の「スーパーラグビー・パシフィック」のチームの交流戦「THE CROSS-BORDER RUGBY」(ザ・クロスボーダー・ラグビー)は、選手のレベルアップなどを目的に、ことし初めて日本で開催されます。

リーグワンの4チームとニュージーランドの2チームが対戦する試合が4試合組まれ、3日の初戦でサンゴリアスとブルーズが対戦します。

2日は、来日したブルーズの選手たちが試合会場の東京・秩父宮ラグビー場で前日練習に臨み、報道陣に冒頭の15分間が公開されました。

選手たちはキックやラインアウトからの連続攻撃を確認し、南半球とは反対の寒い気候の中、リラックスした様子で調整を進めていました。

ブルーズのバーン・コッターヘッドコーチは「3週間後にはシーズンが始まるが、われわれにとっては、あすがことし最初の試合になる。どれだけ自分たちのスキルが通用するのか、違う文化のチームに試すすごくいい機会になる」と話していました。

◇交流戦の日程(計4試合)

▽2月3日:東京サントリーサンゴリアス 対 ブルーズ(東京 秩父宮ラグビー場)

▽2月4日:埼玉パナソニックワイルドナイツ 対 チーフス(埼玉 熊谷ラグビー場)

▽2月10日:横浜キヤノンイーグルス 対 ブルーズ(横浜 ニッパツ球技場)

▽2月10日:クボタスピアーズ船橋・東京ベイ 対 チーフス(東京 秩父宮ラグビー場)

◆「スーパーラグビー・パシフィック」とは

▽ニュージーランドの5チーム
▽オーストラリアの5チーム
▽フィジー
▽トンガ・サモアをあわせた南半球の12のクラブチームで構成されるプロリーグで、世界最高峰のリーグのひとつと言われています。

かつては南アフリカやアルゼンチンのチームも参加していたほか、2019年のワールドカップに向けた日本代表の強化を目的に北半球の日本からもサンウルブズが2016年から2020年まで参加していました。

リーグは2月23日に新たなシーズンの開幕を迎える予定で、今回来日した2チームはいずれも強豪です。

▽チーフスは昨シーズンプレーオフの決勝に進出し準優勝
▽ブルーズはプレーオフの準決勝まで進んでいます。

フィジカルが強く、能力が高い選手がそろう世界最高峰のクラブチームとの対戦で、リーグワンのレベルアップやファン層の拡大が期待されています。

◆「THE CROSS-BORDER RUGBY」開催の背景は

「THE CROSS-BORDER RUGBY」が開催される背景には、リーグワンのチームや日本代表となる選手のレベルアップに加えて、将来的にリーグをまたいだ公式戦としていくことで互いのファン層を拡大しようというねらいがあります。

日本のチームや選手のレベルアップという点では、かつてスーパーラグビーに参加していたサンウルブズが2020年を最後に除外され、日本のクラブチームが海外の強豪と対戦する機会は限られていました。

こうした中、発足時から世界の強豪チームとの対戦を目標に掲げていたリーグワンは、3シーズン目で「ラグビー王国」ニュージーランドのチームとの交流戦の実現にこぎ着けました。

今回、リーグワンから参加する4チームには日本代表の選手も多く在籍していて、ニュージーランド代表の主力メンバーを擁するチーフスやブルーズとの対戦は貴重な経験となります。今回、タイトルや賞金は設定されていませんが、リーグワンの玉塚元一理事長は次のようにコメントしています。

リーグワン 玉塚元一理事長
「今後の世界のクラブラグビーとの交流や対戦に向けた記念すべき第一歩だ。リーグワンの存在と価値を広く世界へ打ち出すチャンスと捉え、将来的な大会拡大も視野に入れている」

今後は両リーグの優勝チームどうしが対戦する公式戦としての開催も見据えていて、次の展開にも注目です。

◆今回 来日する主な選手

来日したチーフスとブルーズの選手には、去年のワールドカップで準優勝したニュージーランド代表の主力選手が顔をそろえています。

ダミアン・マッケンジー選手

【チーフス】
▽ニュージーランド代表のスタンドオフやフルバックとしてプレーしたダミアン・マッケンジー選手
▽センターのアントン・レイナートブラウン選手

マッケンジー選手は、リーグワンの東京サントリーサンゴリアスでもプレーした経験があり、日本でも人気がある選手です。

【ブルーズ】
去年のワールドカップに出場した代表選手が7人所属しています。
▽ウイングのマーク・テレア選手
▽センターのリーコ・イオアネ選手は、
ニュージーランド代表としてワールドカップ決勝で先発出場しています。

▽3日のサンゴリアスとの試合でキャプテンを務めるパトリック・トゥイプロトゥ選手は去年のワールドカップには出場していないものの、ニュージーランド代表として43キャップを獲得しています。

▽プロップのヨルダン・レイ選手はサモア代表として去年のワールドカップに出場し、1次リーグで日本代表と対戦しました。