「避難した人が戻れる環境を」一時孤立の地区 撮影続けた男性

能登半島地震で被災し、一時、孤立状態に陥った輪島市七浦地区では、暮らす人が地震前の半数以下まで減りました。地区に残っている男性は、「諦めずに、避難した人が戻ってこれるよう環境を作っていきたい」と思いを語りました。

輪島市七浦地区は、能登半島の西側にある海沿いの地区で、道路が地割れなどで通行止めとなったため地震の発生からおよそ2週間孤立状態となりました。

住民の東栄一さん(73)は、被災地の実情を知ってほしいと、毎日、地区の様子を携帯電話で撮影してきました。

地震から1か月となった1日、東さんは、住宅街や海沿いの道路を歩き、地区の現状を撮影しました。

動画には、道路がひび割れ、崩れたままの住宅が手つかずとなっている様子が映されています。

また、多くの住宅には、ブルーシートがかけられ、応急危険度判定で危険とされた赤色の紙が貼ってある住宅も見られます。

七浦地区には、地震前、350人が暮らしていましたが、2次避難などをする人が相次ぎ、地区のまとめでは、きょう現在で、147人まで減っていて、動画でも、集落に人影はありません。

また、電気は復旧しましたが、いまだに断水が続いていて東さんが自宅の蛇口をひねっても水が出ない様子が撮影されています。

海沿いでは、地盤が隆起して海底が陸地となっていて、漁港から船が出られない状態が続いています。

一方、きょうは節分を前に支援物資として「恵方巻」が届けられ、被災した住民に配られました。

東さんは、「よくここまできたという気持ちが正直なところだ。ただ、亀裂や地割れの多い道路や隆起した海の状態は何も変わっておらず、変わり果てた海を見て、寂しいなと、一気にこみ上げるものがあった」と1か月を振り返りました。

そして、「ひとり、またひとりと人がいなくなって、この人たちが戻ってくるのかをやはり考えてしまう。残っている私たちがいつ帰ってきてもいいような環境を作っておかなければと思っている。諦めていない人がいるということが、ここに戻る動機になったり、『私も頑張らないと』と勇気を持つことにつながるのではないか」と復興への決意を語りました。