衆院本会議 政治資金問題めぐり立民が追及 首相“対応検討”

国会は、31日から衆議院本会議で、岸田総理大臣の施政方針演説に対する各党の代表質問が始まりました。立憲民主党の泉代表が、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題に関係する議員の辞職や離党などを迫ったのに対し、岸田総理大臣は、関係者への聴き取りなどを通じて事実関係を把握した上で、対応を検討する考えを示しました。

31日の衆議院本会議では、自民党と立憲民主党が質問に立ちました。

政治資金パーティーをめぐる問題

立憲民主党の泉代表は、自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる問題について「異次元の不祥事だ。道義的責任、政治的責任があるというなら、党総裁として全ての裏金議員に議員辞職を求めてはどうか。離党勧告や除名処分は行わないのか」と迫りました。

これに対し岸田総理大臣は、「党としても事実関係の把握に努めており、しかるべき手順を踏んだ上で対応を考えていく。早急に関係者への聴き取りを行い、説明のあり方は事実関係の把握状況などを踏まえ適切に判断する」と述べました。

さらに泉代表は「自民党の中間とりまとめは派閥解消ではなく存続とし、連座制も盛り込まず、評価に値しない。自民党に自浄能力がないことは明らかだ」と批判しました。

これに対し岸田総理大臣は、「自民党自身もみずから強い決意を持って改革を実行し、国会では信頼回復のため、法改正を伴う制度面の改革に各党・各会派と真摯に議論していく」と述べました。

能登半島地震の対応

また泉代表は、能登半島地震の対応をめぐり「地震関連の予算執行は迅速に行われるべきだが、同時に透明性確保が不可欠だ。今後の関連予算は補正予算で対応するのか」と問いました。

これに対し岸田総理大臣は、「今後は残額が3000億円を超える今年度の予備費と1兆円に倍増した新年度予算案の予備費を活用し、復旧・復興の段階にあわせ、機動的、弾力的に財政措置を講じていく。現時点で補正予算案の提出は想定していない」と述べました。

一方、住宅に被害を受けた被災者への支援について、岸田総理大臣は、被災地のニーズや経済情勢も踏まえ追加的な方策を検討する考えを示しました。

政治改革

自民党の渡海政務調査会長は、政治改革について「国民の信頼を回復できるのか、このまま見放されてしまうのか、今まさに瀬戸際に立っている。政治改革に対する覚悟のほどを示してもらいたい」と求めました。

これに対し岸田総理大臣は、「わが党は解体的な出直しを図り、信頼回復に向けた取り組みを進めなければならない。先の国会の会期末に『火の玉となって党の先頭に立って問題に取り組む』と申し上げたが、この強い思いはいささかも変わりはない」と述べました。

賃上げ

また渡海氏は、賃上げをめぐり「力強く成長する経済があってこそ、国民一人一人の幸せが実現できる。デフレから完全脱却し、持続的な賃上げを実現するための取り組みについて決意を示してもらいたい」と促しました。

これに対し岸田総理大臣は、「カギとなるのは物価高に負けない賃上げの実現だ。医療・介護分野などでの『公的賃上げ』や賃上げ税制の拡充・強化に加え、所得税と住民税の減税で可処分所得を下支えし、官民が連携して、賃金が上がり可処分所得が増える状況を着実につくっていく」と述べました。

政策活動費の使いみち

また、岸田総理大臣は、政党から議員に支給される「政策活動費」の使いみちについて問われ「わが党の政策活動費は、党に代わって党勢拡大や政策立案、調査・研究を行うため、役職者の職責に応じて支出しており、目的に沿って適切に使用されていると認識している」と述べました。

学校給食費の無償化

さらに学校給食費の無償化について、岸田総理大臣は「全国ベースの実態調査を行った上で小・中学校の給食の実施状況の違いや法制面などを含めた課題を整理し、速やかに結論を出していく」と述べました。

岸田首相「辞意表明の政務官2人 まず本人の意向を確認」

岸田総理大臣は、衆議院本会議で「本日、2人の政務官から辞意が表明されたと報告を受けている。まず本人の意向をしっかり確認し、その上で必要な手続きを進めたい」と述べました。

立民 泉代表「やる気の感じられない答弁」

立憲民主党の泉代表は記者団に対し「本当にやる気の感じられない答弁だった。派閥や裏金ということばを使わず、不誠実な答えの連発で、岸田総理大臣は、真相究明や体質改善を急ぎ政治を立て直すということに後ろ向きになっている。信頼も覚悟も地に落ちていると強く感じた」と述べました。