会計検査院 新院長の田中弥生氏 “タイムリーな検査を”

会計検査院の新しい院長に田中弥生氏(63)が就任し、予算の編成に役立つ検査に努め、AIなども取り入れながら、検査の質を向上させることなど、抱負を語りました。

田中弥生新院長は、大手光学機械メーカー勤務や、民間企業の社外取締役、独立行政法人の研究部門を経て、2019年から会計検査院の検査官を務め、今月院長に就任しました。

田中院長は目指す目標の1つとして「予算の議論に検査がより寄与するように努めること」をあげ、例えば去年秋に、ガソリン価格に関連した検査報告を行ったように、タイムリーに、時節にあった報告を出すことで、メディアや国会での対話につなげ、次の予算編成に反映されるようにしたいと述べました。

また、データサイエンスの手法を磨き、AIや統計解析を学んだ職員らが中心となって、検査の質を向上させていくことで「検査結果を点から線へ、線から面へと広げたい」と語りました。

会計検査院は30日、新型コロナの感染拡大にともない実施された事業に関する検査報告をまとめた特設ページを公開し、田中院長はこうした取り組みを通じて、国民への広報発信を強化していく考えも示しました。