歌舞伎 市川猿翁さんと弟の段四郎さんを送る会

去年、亡くなった歌舞伎俳優の市川猿翁さんと猿翁さんの弟の市川段四郎さんを送る会が、28日に都内で開かれました。

市川猿翁さんは、三代目市川猿之助として「スーパー歌舞伎」を作り上げ活躍しましたが、去年9月、83歳で亡くなりました。

また、猿翁さんを長く舞台で支えてきた弟の市川段四郎さんも、去年5月、76歳で亡くなりました。

28日に都内のホテルで開かれた2人を送る会には、歌舞伎俳優など関係者、およそ700人が献花に訪れ故人をしのんだということです。

段四郎さんと妻の自殺を手助けした罪で執行猶予付きの有罪判決が確定している長男の四代目猿之助さんは会を欠席したということです。

会の後、猿翁さんの長男で、市川中車さんこと香川照之さんが、息子の市川團子さんとともに取材に応じ、「また一からやり直そうという気持ちで、公演に向かっています。今後とも澤※瀉屋を温かい目でご支援ください」と述べるとともに、「昨年のことを含め、私どものことで多大なるご迷惑をお掛けし、深くおわび申し上げます」と謝罪しました。

また、香川さんが25歳のとき絶縁状態だった猿翁さんに初対面した日のことを振り返り、「父には『あなたは息子ではない』と怒られたが、『愛している』という風にしか聞こえなかった。叔父の段四郎は『よく会いに来たね』とほほえんでくれた。父は北風のような強烈な風を、叔父は太陽のような暖かい光をくれたことを今でも覚えています」と話していました。

※「瀉」のつくりは「わかんむり」