イスラエルへの攻撃に国連機関の職員関与か 影響広がる

パレスチナのガザ地区で、国連機関の複数の職員が、イスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃に関与した疑いが出ていることを受け、この国連機関への資金の拠出を一時的に停止すると、複数の国が相次いで表明するなど、影響が広がっています。国連機関の代表は、人道支援活動を継続するためとして、各国に対して資金の拠出の停止を見直すよう訴えました。

ガザ地区で支援にあたるUNRWA=国連パレスチナ難民救済事業機関は、ハマスが去年10月にイスラエルに攻撃を行った際に、複数の職員が関与した疑いがあるとするイスラエル側からの情報提供を受けて、調査を始めています。

UNRWAは、活動資金のほとんどを欧米諸国などからの支援で賄っていますが、この疑いを受けて、拠出額の多いアメリカやドイツ、それにカナダなど、複数の国が追加の資金の拠出を一時的に停止すると相次いで表明するなど影響が広がっています。

これについて、UNRWAのフィリップ・ラザリーニ事務局長は、27日の声明で、これまでに9か国が資金の拠出を一時的に停止したと明らかにしました。

そのうえで、「少数の職員に対する疑いで、資金の拠出が一時停止されるとは衝撃的だ。UNRWAと地域全体に対する制裁であり、非常に無責任だ」として、継続的な支援活動を脅かすものだと批判しました。

そして、「ガザ地区では200万人以上の人が生きるために、UNRWAに依存している。決定を考え直すよう強く求める」として、各国に対して資金の拠出の停止を見直すよう訴えました。

UNRWAは、ガザ地区での支援物資の配布や避難所の運営などを行っていて、今回の事態を受け、深刻化する人道危機に対する支援活動への影響が懸念されます。