卓球 全日本選手権 ダブルス 女子は“Wみゆう”が初優勝

卓球の全日本選手権はダブルスの各種目の決勝が行われ、女子ダブルスでは“Wみゆう”の愛称で知られる木原美悠選手と長崎美柚選手のペアが初優勝しました。

女子ダブルスは、大会5連覇中だった伊藤美誠選手と早田ひな選手のペアが出場せず混戦もようとなったなか、決勝で木原選手と長崎選手の“Wみゆう”のペアがともにカットマンの佐藤瞳選手と橋本帆乃香選手のペアと対戦しました。

試合は、最終の第5ゲームまでもつれ込む競り合いとなり、“Wみゆう”のペアは、8対8で迎えた終盤の勝負どころで、長崎選手が強烈なフォアハンドを決めてリードを奪い、そのまま11対8でとって接戦を制し初優勝を果たしました。

一方、男子ダブルスは、日本大学の先輩と後輩で組む小林広夢選手と、伊藤礼博選手のペアが、連覇を狙った張本智和選手と森薗政崇選手のペアに勝って初優勝しました。

小林選手と伊藤選手のペアは、序盤から積極的な攻めを見せて1ゲームずつをとりあって迎えた第3ゲームでは小林選手が勝負どころで強烈なフォアハンドを決めて、接戦を制し、第4ゲームも11対7でとり、ゲームカウント3対1で勝ち、初優勝を果たしました。

また、混合ダブルスは、篠塚大登選手と木原美悠選手が優勝し、木原選手は女子ダブルスとの2冠となりました。

大会はあすが最終日で男女ともにシングルスの準決勝と決勝が行われます。

木原美悠「最後まで粘ることができた」

19歳の木原選手は「小学生のときからずっとペアを組んでいてお互いをわかり合っている存在なので、今まで全日本のダブルスでは早く負けてしまっていて苦しかった。今回は最後まで粘ることができ、成長した部分が大きいと思う。積極的に攻めていく気持ちで臨んだ」と話しました。

長崎美柚「戦術と気持ちを転換できたことが勝因」

21歳の長崎選手は「2人とも午前中のシングルスで負けてしまった後の試合で難しいところもあったが、自分たちにあるものにフォーカスして優勝することを目指した。最初から接戦は覚悟していたが、想像以上に苦しかった。最終の第5ゲームは、それまで短いサーブしか出していなかったので、長いサーブを混ぜた。戦術と気持ちを転換できたことが勝因だったと思う」と試合を振り返りました。

そのうえで、「今後は世界選手権やオリンピックに木原選手と2人で出て、金メダルをとれるように頑張りたい」と話していました。

小林広夢「まさか優勝できるとは」

男子ダブルスは日本大学の先輩と後輩で組む小林広夢選手と伊藤礼博選手のペアが初優勝しました。

先輩で3年生の小林選手は「まさか優勝できるとは思っていなかった。全国でのタイトルは初めてなのでうれしいかぎりだ。相手は手堅いプレーでリスクを冒さずに来ると考え、自分たちからどんどん攻めようと思った。パートナーが実力以上のものを発揮してくれたおかげだ」と話しました。

伊藤礼博「全部の大会で優勝する」

後輩で2年生の伊藤選手は「小林選手には大会前から厳しいことを言われてきた。絶対優勝するという気持ちでやってきたことが結果につながったと思う。特に3ゲーム目は小林選手が全部決めてくれて、先輩の強さを皆さんに見てもらえた」と話しました。

そのうえで今後の目標について「学生の大会など優勝できていない大会がある。全部の大会で優勝する気持ちで頑張りたい」と意気込んでいました。

篠塚大登「木原選手と組めて心強かった」

混合ダブルスでは篠塚大登選手と木原美悠選手のペアが初優勝を果たしました。

篠塚選手は、「木原選手と組めて心強かった。優勝したことでとても自信になった」と話したうえで、28日準決勝と決勝が行われるシングルスの試合に向けて「最後まで優勝を目指して突き進みたい」と意気込みを示しました。

木原美悠「本当に今感動」

木原選手は、優勝が決まったあと「本当に今感動している」と素直な喜びを口にしました。

そのうえで、第4ゲームでマッチポイントを握りながらも5連続でポイントを失い追いつかれた場面については、「心臓バクバクで自分が簡単なミスをし始めたので、やばいと思ったが、篠塚選手がいいところで決めてくれた。ペアを組むならやっぱり篠塚選手だ。来年も期待してほしい」と早くも連覇に向けた意欲を見せていました。