富山湾の津波 “県内の一部では高さ約2mの可能性” 専門家調査

能登半島地震で富山湾に押し寄せた津波の高さや発生した状況を明らかにしようと、専門家が富山県の沿岸で調査を行いました。県内の一部では、津波の高さがおよそ2メートルに達していた可能性があると指摘しています。

津波のメカニズムに詳しい中央大学の有川太郎教授は能登半島地震で津波が発生した富山県や新潟県などの各地で、津波の実態を明らかにするための調査を進めています。

27日は富山県入善町や黒部市の海岸で計測器を使って調査場所を定めたうえで、護岸堤や打ち寄せられた石の状態を見て、津波の痕跡がないか確認していました。

有川教授によりますと、海岸には人の手のひらより大きな石が一直線に並んでいる箇所があり、津波で動いたとみられるということで、「入善町の海岸に押し寄せた津波は高さ2メートルに達していた可能性がある」と指摘しています。

有川教授たちの研究グループは調査データと国土交通省のカメラが記録した津波の映像などを照らし合わせて、押し寄せた津波の高さや津波が発生した時の状況を明らかにし、今後の防災対策に役立てることにしています。

有川教授は「津波を観測できる機器の設置場所は限られている。どのような津波だったのか精査することで、今後の避難のあり方にも役立てたい」と話していました。