通常国会召集 政治資金めぐる事件受け 政治改革が最大の焦点

第213通常国会が26日、召集されました。自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受けて、法改正を含む政治改革が最大の焦点となります。

第213通常国会が26日、召集され、午前10時からの参議院本会議では能登半島地震で亡くなった人たちに黙とうをささげたあと、常任委員長の選任などが行われました。

岸田首相「政治資金の透明化 進めるべきものを進めていく」

これに先立って岸田総理大臣は自民党の両院議員総会で「政治とカネの問題を通じて国民はわれわれ自民党に厳しい目を注いでいる。政治資金の透明化など各党各会派と議論して進めるべきものを進めていく。日本の重要課題にしっかりと立ち向かわなければならず、日本の将来は自民党の取り組みにかかっているという強い覚悟を持って国会に臨みたい」と述べました。

立民 泉代表「われわれが政権を担うという意識を強く持つ」

これに対し、立憲民主党の泉代表は会派の参議院議員総会で「今の岸田政権には危機管理能力がなく、危機意識もない。国民生活に目を向けていないことは明白だ。われわれが政権を担うという意識を強く持って、国民とも対話し、各界・各層と協力して新しい政権づくりにまい進していきたい」と述べました。

通常国会の会期は6月23日までの150日間です。

自民党の派閥の政治資金パーティーをめぐる事件を受けて、召集日に行うのが通例の岸田総理大臣の施政方針演説は、来週29日に予算委員会の集中審議を行ったあと、翌30日に行われます。

また野党側の要求を踏まえ、安倍派に所属する衆参両院の委員長ら11人が交代するなど、冒頭から異例の展開となります。

与野党は、政治資金の透明化が喫緊の課題だとして、双方とも政治資金規正法の改正に向けた検討を続けていて、通常国会では法改正を含む政治改革が最大の焦点となります。

天皇陛下をお迎えし開会式

第213通常国会は、参議院本会議場で天皇陛下をお迎えして開会式が行われました。

開会式は、午後1時から参議院本会議場で行われました。

はじめに、衆参両院を代表して額賀衆議院議長が登壇し、能登半島地震について「多くの尊い命が奪われ、甚大な被害をこうむったことは、まことに心痛に耐えない」と述べました。

その上で「我が国をめぐる内外の諸情勢は極めて厳しく、被災者の支援や被災地の復旧をはじめ、早急に対処すべき重要課題が山積している。内政、外交のそれぞれにおいて速やかに必要な施策を講じ、国民生活の安定向上を図らなければならない」と述べました。

このあと、天皇陛下が「全国民を代表する皆さんと一堂に会することは、私の深く喜びとするところであります。国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」とおことばを述べられました。

維新 馬場代表「有言実行で政治改革進める」

日本維新の会の馬場代表は党の両院議員総会で「政治資金の透明性を高めていくことが肝要だ。自民党の『政治刷新本部』の中間とりまとめは、35年前の『政治改革大綱』よりも後退していて、ずいぶん国民をなめている。有言実行で、地に足のついた政治改革を進めていく。政治改革のみならず、税や社会保障などもパッケージで改革する第一歩を踏み出す非常に重要な国会で、近代政治史に残すべき国会にしなくてはならない」と述べました。

公明 山口代表「政治の信頼取り戻す必要 しっかり結果を」

公明党の山口代表は党の両院議員総会で「政治とカネをめぐる問題は、国民の信頼を大きく損なっている。信頼なくして政策や外交課題を語っても国民はついてこず、一刻も早く政治の信頼を取り戻す必要がある。与野党通じて幅広く深い論戦のもと合意を作るべく、『令和の政治改革元年』と銘打ってしっかり結果を出していきたい」と述べました。

共産田村委員長「関与した政治家の証人喚問を」

共産党の田村委員長は党の国会議員団総会で「この国会の焦点は、自民党派閥の政治資金裏金問題の真相を究明し、金権腐敗の根をたつ抜本的改革ができるかどうかだ。誰がどれだけの裏金をつくり、何に使ったのか、その全容を徹底的に解明し、政治家の責任を明らかにすることは国会の重要な責務だ。関与した政治家全員の証人喚問を行い、裏帳簿を過去にさかのぼって提出させ、洗いざらい真相を明らかにさせよう」と述べました。

国民 玉木代表「新しい流れつくる先頭に立つ覚悟で臨む」

国民民主党の玉木代表は、党の両院議員総会で「政治とカネの問題で、政治に対する国民の不信が最高潮に達しており、政治家自身が改革していけるかが問われている。自民党は、本来やるべき真相解明ができていないのに、間違った手術をしていると多くの国民が思っているのではないか。30年ぶりの持続的な賃上げの機運を着実に根づかせられるかも問われており、大きな新しい流れをつくる先頭に立つ覚悟で、国会に臨んでいきたい」と述べました。

れいわ 山本代表「能登半島地震対応 急がなければ」

れいわ新選組の山本代表は、記者会見で「政治とカネの問題も非常に重要であることは間違いないが、人の命がかかっていることを考えれば、能登半島地震の対応を急がなければダメだ。政府の初動が遅かったことによって、多くの人々が被害を受けた。岸田政権下の災害によって切り捨てられた人たちを何としてもバックアップしていかなければならない」と述べました。

林官房長官「丁寧に説明 誠実に対応したい」

林官房長官は閣議のあとの記者会見で「所得税の定額減税などを含む税制改正法案や子ども・子育て支援の抜本的強化のための法案など国民生活に直結する予算案や法案などの審議をお願いする。国民の政治に対する不信の声を 真摯(しんし)に受け止めながら能登半島地震への対応をはじめ政府の取り組みを丁寧に説明し、審議に誠実に対応していきたい」と述べました。