国際司法裁判所 ガザ攻撃めぐる暫定的な措置 今夜にも判断へ

イスラエル軍によるガザ地区への攻撃がパレスチナ人に対するジェノサイド、集団殺害などにあたるとして、南アフリカが国際司法裁判所に訴えていた訴訟で、裁判所は日本時間の26日夜、判決を出すまでの間の暫定的な措置について判断を示すことになっています。

この訴訟は、イスラエル軍がガザ地区で続けている軍事作戦がパレスチナ人に対する集団殺害などにあたり、ジェノサイド条約に違反しているとして、南アフリカが先月、オランダ・ハーグにある国際司法裁判所に訴えたものです。

南アフリカは判決までの暫定的な措置として、軍事作戦の即時停止を命じるよう求めていて、裁判所は日本時間の26日夜9時に判断を示すことになっています。

これに対してイスラエルは弁論で「軍事作戦はイスラム組織ハマスの掃討を目的とするもので、パレスチナの市民を標的にしたものではない。ハマスこそイスラエルのせん滅を掲げジェノサイドを行っている」と反論しています。

国際法が専門のブリュッセル自由大学のアンヌ・ラガーワル教授は「暫定措置命令には明らかな拘束力があり、各国には従う義務がある。イスラエルとパレスチナをめぐっては国連のさまざまな機関で決議などが採択されてきたが、国際司法裁判所に訴訟が提起されたのは初めてで特別の意義がある」としています。

一方で国際司法裁判所はおととし3月、ウクライナに侵攻したロシアに対して暫定措置として軍事行動の停止を命じたもののロシアはこれに応じておらず、今回、裁判所が示す判断にイスラエルがどう応じるのか注目されます。