サッカー アジア杯 日本がインドネシアに3対1で勝利 決勝T進出

サッカーのアジア王者を決めるアジアカップで、日本は1次リーグの最終戦となる第3戦でインドネシアに3対1で勝ち、2勝1敗としてグループDの2位で決勝トーナメント進出を決めました。

サッカーのアジアカップは、24チームが出場して中東のカタールで開かれていて、3大会ぶり5回目の優勝を目指す世界ランキング17位の日本は24日、1次リーグ最終戦となる第3戦で世界146位のインドネシアと対戦しました。

日本は1対2で敗れた第2戦のイラク戦から先発メンバーを8人入れ替え、上田綺世選手や堂安律選手などが今大会初めて先発で起用されました。

日本は試合開始早々、上田選手がペナルティーエリア内で倒され、VAR=ビデオ・アシスタント・レフェリーの結果、ファウルと判定されてペナルティーキックを獲得しました。

これを上田選手が落ち着いて決めて先制しました。

その後も再三、相手ゴールに迫りますが、シュートがゴールポストに当たるなどして得点できず、1対0で試合を折り返しました。

後半開始早々、日本は左サイドを駆け上がった堂安選手からの低いクロスボールを上田選手が流し込み、この試合2点目のゴールで追加点を奪いました。

さらに43分、今度は上田選手のシュートが相手選手の足に当たり、オウンゴールで3点目を挙げました。

後半のアディショナルタイムにインドネシアにロングスローからゴールを決められましたが、日本は3対1で勝ち1次リーグを2勝1敗としてグループDの2位で決勝トーナメント進出を決めました。

日本は31日、決勝トーナメント1回戦でグループEの1位のチームと対戦します。

2ゴールの上田綺世「いい試合の入りができた」

2ゴールをあげて勝利に貢献した上田綺世選手は「前回の試合の反省をチームとして意識していたし、いい試合の入りができたんじゃないかと思う。課題はまだまだある。自分の納得いかないパフォーマンスやプレーのクオリティーは修正していきたいが、きょうは点を取って勝てたのでそこはよかったと思う」と試合を振り返りました。

そのうえで決勝トーナメントに向けて「自分たちの力を最大限発揮できるようにいい準備をしたい」と次を見据えました。

遠藤航「切り替えの速さと運動量で相手を上回れた」

キャプテンの遠藤航選手は「ボールを失ったあとの守備への切り替えは、チーム全体で意識をしていた。切り替えの速さと運動量で相手を上回れたのが勝利の要因だと思う」と試合を振り返りました。

そして「相手もかなり引いて守っていたので、ボールを持つ展開が多かった。自分のところでセカンドボールを拾うことと、攻撃でボールを失ったあとの切り替えの部分で自分が最初にディフェンスすることを特に意識した。そこはうまくやれたと思う」と話しました。

そのうえで決勝トーナメントに向けては「どんな相手であれ勝つのは難しいということを思い知らされた1次リーグだった。自分たちの力を最大限出すために毎試合準備するのが大事だと思うし、きょうのような試合を続けることが大事だと思う」と目の前の試合に集中することを強調していました。

堂安律「気持ちの面でチームを変えたいと思っていた」

今大会初先発の堂安律選手は「自分にできることは何かを考えてピッチに立った。戦術どうこうではなく、気持ちの面でチームを変えたいと思っていた」と話しました。

そのうえで「1次リーグの3試合はいろいろあったが、これから本当に厳しい戦いが始まる。もう1回気を引き締めてきょうの試合に満足せず次に向けて準備したい」と決勝トーナメント1回戦を見据えました。

アジアで勝つことの難しさ痛感した1次リーグ

1次リーグを2勝1敗のグループ2位で決勝トーナメントに進出する日本。

初戦のベトナム戦は逆転勝ちしたものの2点を奪われ一時リードを許したほか、第2戦のイラク戦も2ゴールを許し、初優勝した1992年以降初めて1次リーグで黒星を喫しました。

第3戦のインドネシア戦では2つの試合の反省をもとに「アグレッシブに、賢く、試合全体をコントロールする」と高い意識で臨み、おおむね危なげない試合運びを見せたものの、終了間際に失点を許し、最後の最後で課題が残る形となりました。

世界ランキング17位とアジア最高位の日本に対してベトナムは94位、イラクは63位、インドネシアは146位。

いずれも「格下」の相手に、日本は苦戦を強いられました。

共通していたのは守備に人数を割いて引いて守る相手に対してゴールを決めきれず、数少ないピンチで簡単にゴールを割られてしまうシーンです。

インドネシア戦もシュート数は日本の「14」に対してインドネシアは「3」。

試合を優位に進めながら、相手の体を張った守備の前になかなかゴールを奪えませんでした。

キャプテンの遠藤航選手は「どんな相手であれ、勝つのは難しいということを思い知らされた1次リーグだった」と振り返り、アジアで勝つことの難しさをあらためて語っていました。

森保一監督は決勝トーナメントに向けて「目の前の一戦を全力で戦い抜く準備をしたい」と気を引き締めました。

2026年のワールドカップに向けて、まずは3大会ぶり5回目のアジア王者を目指す日本。

負けたら終わりとなる決勝トーナメントは、1次リーグで露呈した守備の隙をなくすことと、チャンスで決めきる力が問われることになります。