イスラエル ガザ地区南部へ攻撃拡大 関係国は停戦目指す動きも

パレスチナのガザ地区で軍事作戦を進めるイスラエルは南部ハンユニスへの攻撃をさらに拡大していて、政権高官はイスラム組織ハマスの中枢に迫っていると主張しています。イスラエルのネタニヤフ首相が強硬な姿勢を崩さない中、アメリカや関係国は停戦を目指して外交的な動きを活発化させていると報じられています。

イスラエル軍は、ガザ地区南部のハンユニスで、これまで戦闘が限られていた南側と西側の地区にも21日から激しい空爆に続いて地上部隊を展開し、作戦を拡大しています。

イスラエルのガラント国防相は21日、ガザ地区で拘束されている人質の家族との面会で、ハンユニスでの軍事作戦は順調に進んでいて、ハマスの中枢に迫っている兆しが見られると説明しました。

一方で、中東の衛星テレビ局アルジャジーラは、ハンユニス市内のナセル病院周辺では、いたるところで爆撃が続いているという医師の話を伝えているほか、パレスチナ赤新月社は、市内の別の病院にも戦車が迫り、活動しているチームと連絡が取れないとしています。

ガザ地区の保健当局は22日、イスラエル軍の攻撃によるこれまでの死者は2万5295人に上るとしています。

ガザ地区での戦闘が長期化する中、アメリカとエジプト、それにカタールの3か国が、段階的に停戦を目指す枠組みを提案しているとする報道が相次いでいます。

カタール系のメディアは21日、エジプトの当局者の話として、イスラエルとハマスが関係国との間で枠組みへの参加をめぐる協議を行っていると伝えました。

また、アメリカの複数のメディアは、バイデン大統領の中東担当顧問がエジプトとカタールを相次いで訪れると伝えました。

イスラエルのネタニヤフ首相は、軍事力によるハマスの壊滅を目指す強硬な姿勢を崩していませんが、関係国による働きかけが実を結ぶかが焦点となっています。