米大統領選 デサンティス氏が撤退 トランプ氏 ヘイリー氏2人に

ことし秋のアメリカ大統領選挙に向けて野党・共和党から立候補を表明していたフロリダ州のデサンティス知事が撤退を表明しました。
これにより、共和党の候補者選びはトランプ前大統領とヘイリー元国連大使の2人に絞られ、2日後に迫った第2戦のニューハンプシャー州の予備選挙への影響が注目されます。

デサンティス氏は21日、自身のSNSにビデオメッセージを投稿し、選挙戦から撤退すると表明しました。

そして「共和党の候補者選びの有権者の大多数がトランプ氏にもう一度、チャンスを与えたいと思っていることは明らかだ。トランプ氏は現職のバイデン大統領よりも優れている」と述べてトランプ前大統領を支持する考えを示しました。

デサンティス氏の撤退によって共和党の候補者選びはトランプ氏とヘイリー元国連大使の2人の戦いとなります。

トランプ氏は21日、東部ニューハンプシャー州で開いた集会で「いかさまジョー・バイデンを打ち負かすため、デサンティス氏やそのほかのすべての人たちと共に取り組んで行くことを楽しみにしている」と述べて、デサンティス氏の支持表明を歓迎しました。

一方、ヘイリー氏は声明を出し「有権者は、再びバイデン対トランプという道を歩むのか、それとも、新しい保守の道を進むのか、声を上げる資格がある」として、トランプ氏との対決姿勢を改めて示しました。

共和党の候補者選びは、第2戦となるニューハンプシャー州の予備選挙が23日に行われることになっていて、州内で行われた世論調査の支持率の平均では21日時点で
▽トランプ氏が52.5%
▽ヘイリー氏が37.5%
▽デサンティス氏が7%となっています。

ヘイリー氏が、ここで勝利するか、トランプ氏に迫る結果を出せなければ選挙戦を続けることが難しくなるとの見方が出ていて、デサンティス氏の撤退表明が選挙戦にどのような影響を与えるのか注目されます。

トランプ氏の集会 入場できず会場外で支持表明する姿も

ニューハンプシャー州の予備選挙前の最後の日曜日となった21日、トランプ氏は、ロチェスターの市庁舎内にある劇場で集会を開きました。

しかし、会場の収容可能な人数を超えたとして入場できず、会場の外でトランプ氏への支持を表明する大勢の支持者の姿もみられました。

デサンティス氏が候補者選びから撤退を表明したことについて、トランプ氏の支持者だという男性の1人は「デサンティス氏は大統領候補になっていたかもしれない。フロリダ州知事としての実績に感銘を受けていた」と話していました。

別の男性は「本質的には関係がない。デサンティス氏は選挙戦で勝つことはできない。重要なのはトランプ氏が勝利するということだ」と話していました。

また、別の女性は「デサンティス氏は、よい副大統領になるのではないか」と話していました。

一方、ヘイリー氏を支持する男性の1人は「ヘイリー氏にとってチャンスだ。トランプ氏を抑えるために、デサンティス氏を支持していた人たちもいるだろう。彼らはいま、トランプ氏に対抗する声や支持をヘイリー氏への投票に結集させることができる」と話していました。

トランプ陣営「今こそバイデン大統領を倒す時だ」

デサンティス氏が候補者選びからの撤退を表明したことを受けてトランプ陣営は21日、声明を出し「デサンティス氏をはじめ多くの元大統領候補から支持をもらい、光栄に思う。今こそトランプ氏のもとに集まり、バイデン大統領を倒す時だ」と強調しました。

そしてヘイリー元国連大使について「『アメリカ第一主義』を阻止するためなら何でもするグローバリストの候補者だ。彼女は共和党よりも民主党の考えを代弁している」と批判し、対決姿勢を鮮明にしました。

また、トランプ前大統領はニューハンプシャー州で支持者に対し「対立候補の1人で、非常に能力のあるデサンティス氏が選挙戦から撤退するという知らせを受けた。彼は私たちを支持する」と述べました。

そして演説などでデサンティス氏を批判する際に「聖人ぶったデサンティス」と呼んできたことについて「その名前は正式に引退だ」と述べて、デサンティス氏との対決は終わったとアピールしました。

ヘイリー氏 トランプ氏との対決姿勢改めて示す

今月23日に行われるニューハンプシャー州での共和党の予備選挙で勝利を目指すヘイリー元国連大使は21日、声明を発表しました。

この中で、デサンティス氏が「有権者の大多数はトランプ氏にもう一度、チャンスを与えたいと思っている」などとして、共和党の候補者選びから撤退したことについて「投票が行われたのは、まだ一つの州だけだ。そこでは、半数の人たちがトランプ氏に投票したが、半数は彼に投票しなかった」と反論しました。

その上で「有権者は、再びバイデン対トランプという道を歩むのか、それとも、新しい保守の道を進むのか、声を上げる資格がある」として、トランプ氏との対決姿勢を改めて示しました。

林官房長官「関心を持って注視」

林官房長官は午前の記者会見で「わが国としても関心を持って注視している。日米両国間の連携はかつてないほど強固で深く、日米同盟の重要性についてはアメリカでも党派を超えて共通の認識が存在していると認識している」と述べました。