輪島 約72時間後救助も亡くなる 女性の長男「よくがんばった」

今回の能登半島地震の発生からおよそ72時間が経過した今月4日、石川県輪島市の倒壊した住宅から消防に救助された89歳の女性がその後、亡くなりました。女性の長男が18日、NHKの取材に応じ、「回復しているように見えていたので残念です。よくがんばった。もう苦しまなくていいからゆっくり休んでほしい」と語りました。

亡くなったのは、輪島市の外節子(89)さんです。

地震の発生からおよそ72時間が経過した今月4日の午後4時半ごろ、倒壊した自宅から大阪の緊急消防援助隊に助け出されました。

長男の外武志さんによりますと、節子さんは、救助された時は意識があり、輪島市内の病院に搬送され治療を受けている際には自分の症状について訴えるように声を発することもあったということです。

このため武志さんは回復を信じていたということですが、その後、血圧が下がるなどして容体が急変し、今月6日に亡くなったということです。

倒壊した建物のがれきなどの下敷きとなることで、体にたまった毒性物質が全身に回る「クラッシュ症候群」で亡くなったとみられるということです。

また、武志さんの弟の外忠司さん(58)は、今月4日、節子さんが救助された場所の近くで見つかりましたが、すでに亡くなっていたということです。

節子さんについて武志さんは、「病院から連絡を受けて駆けつけると呼吸が止まっている状態で、何が起きたのかわかりませんでした。回復しているように見えていたので残念です。72時間というところで、救助してくれた消防の方には感謝しかありませんし、医師の方なども最後まで治療していただき感謝しています。父を早く亡くしたあと、母は1人で私と弟の面倒をよく見てくれたし、本当に親切でまわりの人を大切にするお母さんでした。いろんな感情がありますが、3日間も挟まれていたのでよくがんばったと。もう苦しまなくていいからゆっくり休んでほしいという思いです」と話していました。