戦時下で生きる人々の証言 ウクライナ人の詩人が都内で朗読会

戦時下のウクライナで生きる人々の証言を集めてきたウクライナ人の詩人が都内で朗読会を開き、人々が日常で使うことばの意味や使い方が戦争によって以前とは大きく変わったと訴えました。

18日、早稲田大学で朗読会を行ったのは、ウクライナの詩人、オスタップ・スリビンスキーさんです。

スリビンスキーさんは、ロシアの軍事侵攻によって家を追われるなどした人たちの77の証言を集め、去年「戦争語彙集」という1冊の本にまとめました。

この本では、証言を通じて、人々が何気なく使うことばさえ、戦争によって以前とは意味や使われ方が大きく変わったと訴えていて、朗読会では、チェロの演奏とともに一部の証言が読み上げられました。

このうち「身体」という題名の証言は、攻撃を受け続けるウクライナが自分と重なり、自分の体にも痛みを感じるようになったという女性の訴えです。

また、「ゴミ」という題名の証言は、ゴミ出しをしたくてもロシア軍の攻撃で避難を余儀なくされる住民のもので、「家もこの街もゴミになるの?」と家がゴミに変わってしまう不安を伝えています。

会場を訪れた50代の女性は「ふつうのことができなくなってしまう戦争の怖さが現実感をともなって伝わってきました」と話していました。

スリビンスキーさんは「人々を沈黙させることこそが侵略者の狙いなのだと思う。こうした証言が人々が軍事侵攻に関心を寄せる入り口になってほしい」と話していました。